ミニシアターが集結、シネマコンプレックス「Q-AXビル」
渋谷は「映画の街」という側面を持っていますね。私のように、若い人々で混雑する通りは苦手という人でも、渋谷のみで単館上映されるインディーズ映画を観るために足を運ぶ人は少なくないのではないでしょうか。旧ソ連製の素晴らしいB級傑作SF『不思議惑星キン・ザ・ザ』も、アキ・カウリスマキ監督の作品も、私はみな渋谷ユーロスペースで観ました。ミニシアターの老舗であるユーロスペースが2006年1月に移転し、東急本店近くの円山町に誕生した複合映画施設「Q-AX(キューアックス)シネマ」のスクリーンのひとつとなりました。洗練されたデザインのQ-AXビルの中には、ユーロスペース、渋谷唯一の名画座であるシネマヴェーラ渋谷(8月現在、小津安二郎監督作品上映中)など5つのミニシアターが集結しています。
地階の「Q-AXシネマ1」のゆったりした椅子はスペイン・アーウィン社製。前後左右のスペースもひろめにとられているので、隣に座った人と肘が触れあったり、後の席の人の脚が背もたれをぐいっと押したりするのが気になることはありません。音響にはルーカス社が提唱するTHXシステムを渋谷で初めて導入し、クリアで臨場感あふれる音響で映画を楽しむことができます。