電話で予約して訪れるお客さまたち
2種類のスコーンはオリジナルのレシピで作られる個性派。直火のガスオーブンで焼いているため、ぱりっとした皮が外側をおおい、他のどこのスコーンとも違う食感です。スコーンといえばクロテッドクリームがつきものですが、中山さん自身がクリームのこってり感を苦手としているため、CORBで「喉づまりをなくすために」添えられるのはヨーグルトとオーガニックのメープルシロップ。丁寧にドリップした挽きたてのGLAUBELLのコーヒーといっしょにスコーンを味わっている間にも、ご近所にお勤めの女性が電話をかけてきて「15分後にホットサンドを2つテイクアウトしたい」と注文したり、りんごのタルトのファンという女性が訪れて自分の分とプレゼント分を買いもとめ、包みを待つあいだに私に向かって「ここのりんごのタルトがおいしいので、友だちに教えてあげたくなってしまうんです」と話しかけてきたりして、まだオープンしたての小さなカフェながら、おいしいパンと焼き菓子の好きな人々の信頼をしっかりと集めているようです。
事前に電話で相談すれば、さまざまな注文に対応していただけます。個人経営のカフェならではのきめ細かなアレンジはありがたいものですが、中山さんは
「私自身が自由にふるまうのが好きで、レストランで<シェフ自慢のサラダ、オリジナルドレッシング>を注文したときでも『レモンとお塩をください』なんて言ってしまうのです(笑)」
と、のんびりした雰囲気。生活の場所のすぐ隣にこんなお店があったら、日常が何割か楽しくなりそうです。