「おいしい料理とおいしいお酒、楽しいおしゃべりのある場所」
……カフェをそうとらえるオーナーは、ニューヨーク留学中に空間デザインを学び、ビアレストラン等の店舗デザインを手がけてきました。cafe HEAVEN'Sでは留学時代に通っていたニューヨークのカフェの自由でざっくばらんな空気と、気軽に挨拶の言葉をかけてくるスタッフの親しみやすさ、また、ヨーロッパのカフェの老若男女が集まって楽しげに会話を交わす雰囲気とを融合させ、HEAVEN'Sならではの居心地の良さを醸し出すことがテーマ。
オーナー自身が深夜に仕事の打ち合わせをしながらおいしい食事ができる場所を求めていたことから、カフェにPCを持ち込んで仕事をする人や、テーブルを囲んで会議をする人々にも理解が。幅広い用途に使えてこそカフェ、という姿勢が心強く思えます。
「オーナーがスタッフによく指示するのが<familiar>という言葉です」
と話してくれたのは、笑顔の美しい女性マネージャーの品川さん。
「スタッフはfamiliar、つまりうちとけたフレンドリーな接客を心がけています。でも決してなれなれしくすることなく、お客さまとのほど良い距離感を大切にしたいと思っています」
品川さんは大阪の有名カフェで数年働いた後、東京都内のカフェのスタッフとなり、cafe HEAVEN'Sのオーナーにスカウトされてマネージャーに。
「カフェの仕事の魅力は、大好きな空間や音楽に囲まれて働けること。そして、ふつうに暮らしていたら出会えない人々と知り合って友達になれること。仕事を通して人生の先輩がたの意見が聞けることですね」
あたたかな空気を持つ品川さんの細やかな仕事ぶりは、手作りのワインリストにも現れていました。各ボトルの写真を貼り、名称と産地はもちろんのこと、品種、特徴、相性のいいお料理まで、ていねいな手書きの文字で書かれているのです。ワインを選ぶ楽しさが一段と増すというもの。