カフェ/吉祥寺・荻窪・国分寺・青梅のカフェ

broom&bloomブルーム&ブルーム…武蔵小金井(2ページ目)

スローフードのケータリングユニットとして人気を集めた女性チームyadocarism(ヤドカリズム)がカフェに「定住」。お料理に合わせて4種類の塩を使い分け、とびきりのおいしさを楽しませてくれます。

川口 葉子

川口 葉子

カフェ ガイド

ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。

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子どもたちが道草する町で


broom&bloomの店内に置かれている家具は、ほとんどが中古品や廃材。ほうきのかたわらで、ショップカード入れの役割を果たしている赤サビの美しいちりとりも、解体現場から調達したものでした。どうやらヤシマさんには拾いモノ、もらいモノに恵まれるという特殊な運があるらしいのです。

ある日、古い日本家屋4軒を解体する現場を眺めていたヤシマさんは、作業中のおじさんに「好きなものを持って行け」と声をかけられました。カフェ開業を考える人間にとっては宝の山のような現場。
廃材たちは、「清掃が大好き。ものごとに行き詰まった時はそうじをします」というヤシマさんたちの手で丁寧に磨き上げられて新たな生命を宿し、broom&bloomの空間に心地良さげにおさまっています。キッチンで光る二層シンクも、民家の裏に雨ざらしになっていたのを見つけてもらってきたというから驚き!

幸運な出会いは、おそらく日々の思考と感覚の丁寧な積み重ねと、楽しげなまなざしが呼び寄せるものなのでしょう。ヤシマさんと2人の女性スタッフの姿に、そんなことを感じました。

ところで、なぜ都心に出店せず、この町に? 函館出身のヤシマさんに尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「生活の場所でこそ、お店を開きたいと考えたのです。かつては横浜近くの新興住宅地に住んだこともありました。その町には子どもたちもたくさん暮らしているはずなのに、放課後に姿を見かけることがなかったのです。夜になってから塾の袋を下げて帰宅する子どもたちにすれ違うだけでした。この町では夕方、道草して遊んでいる子どもたちに出会えるんですよ」

▼本物のおいしさ。ヤドカリズムが培ってきたスローフードの魅力。
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