■日本古来の豆をコンセプトに
日本では古来からたくさんの豆が日常的に食卓に上ってきました。小豆、大豆、黒豆、金時豆、うずら豆、虎豆など、味のバリエーションが豊富で栄養価も高いヘルシーフード、豆。
しかし、豆を上手に煮ることは難しいもの。あわただしい現代の生活の中では、いくら豆が身体に良いと知っていても、よほどお料理好きの人でない限り乾燥豆をもどして一から料理する機会はなかなかないでしょう。
「その分、私たちが時間をかけて作った豆を皆さまにご提供します」と店長の大津さんは語ります。
カフェ・マメヒコのキッチンでは、愛情と手間をじっくりかけて北海道産の豆各種が調理されています。
「豆料理は根気のいる作業ですが、完成するまでの変化を見るのが好きなのです」
そう話してくれたのはシェフの上原さん。
「豆に含まれる水分には毎回ばらつきがあるので、マニュアルを作ろうと思っても作ることができないんですよ。豆の水分量や季節の変化によって微妙な調整を行いながら、注意深く豆を戻していかなければなりません。でも、小さな豆が3倍にふくらんでいくのを見守るのが楽しいんです」
昼間はクラシック、夜はジャズが流れる店内は落ち着いた端正な美しさ。この空間のために造られた赤褐色のアメリカンウォールナットの長テーブルに、イギリスの修道院で使われていたという古い椅子がしっくりなじんでいました。照明を受けて静かに光っているのは凛とした風情の花と、ちょっと珍しい瓶型のソルトミル、ペッパーミル、オリーブオイル、バルサミコのセット。薄めに味つけした料理を、お客さまが自分の好みに調整できるようにとの心遣いです。
店内では一人で訪れた若い人も、3~4人で訪れた年配の女性たちも静かにくつろぎ、新しい装いをまとった豆料理のお皿が運ばれてくると小さな驚きと喜びの表情を浮かべていました。
▼マメヒコの豆料理はこんなラインナップです。