機内の環境で味わって美味しいのは
ヒル=スミス氏によると「湿度が低くなると鼻や舌の粘膜が乾いて、渋味や酸味を強く感じやすくなる傾向がある」のが、地上と顕著に異なる点だという。したがってワインは、比較的なめらかでふくよかな味わいのものが選ばれる。ドイツのリースリングや食後にチーズと共に供されるポートなど、甘味のあるワインのチョイスもこの理由によるのだろう。同社のワインや料理の味わいは時に、ケータリング施設に設置された減圧室で比較実験されている。
シンガポール航空で試飲検討するワイン。そのサンプルは毎年1,200本に上る。コンサルタントの評価を参考に、独自に購入・保管されたワインは年間約175万本、つまりシンガポール航空のフライトで1日あたり平均5千本近いワインが使われていることになるから、量的にもかなりの規模である。では、このワインを提供するスタッフは、どのように教育されるのか?