今回取り上げる「津軽ラーメン」というのは主に青森・弘前のラーメンのことである。新横浜ラーメン博物館のサイトに紹介されている「全国ご当地ラーメン」は19の地域。その中には残念ながら「津軽ラーメン」は含まれていない。

私は青森県には全部で4回ほど食べ歩きに行っており、合計で29杯食べた。まだわずか29杯ではあるが、個人的には上記の「ご当地ラーメン」と比較しても十分な個性と特徴を持った見事な「ご当地ラーメン」だと思う。キーワードは「焼き干し・煮干し」を使った醤油味。麺は細めの縮れが多く、自家製麺の店も多い。以前食べたときは写真を撮ってなかったので、29杯の中で9月初旬に回ってきたお店を中心に特徴のあるお店を紹介してみたい。(参考書籍:「ラーメン道楽」(フィーラーステーション発行)、「あおもり草子:青森のラーメン」(ぷりずむ発行))

「津軽ラーメン」は古くから存在している

●入〆@青森 ラーメン
地元の同行者の案内によると青森県に現存する最古のラーメンではないか、とのこと。大正時代から出していたらしい。お店の創業は明治35年という老舗の蕎麦屋。

午後3時半という中途半端な時間に行ったにも関わらず、駐車場はいっぱいで少し待ち。店に入ると1階はほぼ一杯で2階で食べることに。もちろんラーメンを食べてる人はそんなに多くはないが人気のある店でありことは間違いない。我々の注文はみんなラーメン。煮干しを軽めに効かせた懐かしい味。しかし麺にはモンゴル産のかん水を使っていたりする。

【DATA】生そば入〆(いりしめ) 住所:青森県青森市青柳1-12-22 TEL:017-734-2457 営業時間:11:00-19:00  休日:火曜

●来々軒@弘前 醤油拉麺
上記の店が「県内最古のラーメンを出した店」なら、こちらは「県内最古のラーメン専門店」かな。昭和元年に屋台で創業したらしい。店舗は改装したために新しくなっている。メニューもたくさんの種類を揃え、ラーメン専門店というよりは中華料理店に近い。

食べたのは醤油拉麺で480円。自家製の手揉み縮れ麺に煮干しが効いた醤油味。シンプルながら味わいのある、いかにも老舗のラーメンであった。
【DATA】来々軒 住所:青森県弘前市大字茂森町16   TEL:0172-32-4828 営業時間:11:00-20:40  休日:木曜

●長崎家@黒石 冷やし支那そば
こちらも創業1934年(昭和9年)と古い。外観だけでは何屋さんかわからない。開店時間ちょうどくらいに着いた我々はまだ開いてないのかと思って躊躇していたが、この外観でも営業中なのだ。

中華そば。ここも蕎麦屋なのであるが、多くの人が「中華そば」か「冷やし支那そば」を食べるようだ。麺は中太の自家製縮れ麺。これを竃で茹で上げる。中華そばは鶏ガラと焼き干しなどを使っている。今では焼き干しは高くなり、煮干しに変えてるお店も少なくないようだが、ここは焼き干しにこだわっている。それでいて450円で中華そばを出しているのだから素晴らしい。水は南八甲田山の伏流水を使い、昔から化学調味料は一切使ってないとのこと。今風のお店に「無化調」の店が多いが、70年の歴史の無化調店も凄い。

冷やし支那そば。メニューには「冷やし中華」というのもあり、これはいわゆるスープのない一般的な冷やし中華タイプ。「冷やし支那そば」と言ってるのは「冷やし中華」と分けるためのようだ。しかし、スープには動物系を一切使わずに中華そばとはまったく別に作っているという。しかも通年メニューだとか。冬に食べる人もいるのだろうか?さらに驚くのは、このメニューを戦前から出していたということ。私の知識では山形の「栄屋本店」が1952年に出したのが元祖となっている。それよりも早く「冷やしラーメン」を出していたことになる。もしかしたら日本最古の冷やしラーメンなのかも?
【DATA】長崎家 住所:青森県黒石市大字市ノ町40-2   TEL:0172-52-3201 営業時間:10:30-16:30(スープ切れ終了)  休日:無休

●くどうラーメン@青森
実は羽田~青森便の飛行機はそんなに本数が多いわけではなく、食べ歩きに行こうと思うとかなり早い時間に着いてしまう。そんな時には、この店に行くことをお薦めする。なんと朝8時から営業しているのだ。今回は初めての店を回りたかったので食べなかったが前に来た時は本当に8時から営業しているのか、確認の意味も含めて8時に来てみた。もちろん営業していたし、朝の8時にお客さんも少なくないのだ。近々、隣の駐車場に店舗を拡張するらしい。創業から60年ほどで焼き干しにこだわっている自家製麺の店。青森の代表的な店といえよう。
【DATA】くどうラーメン 住所:青森県青森市新町1-6-12   TEL:017-722-6905 営業時間:8:00-16:00  休日:木曜