▲春日通りから入るとまずはこんな風景が目に入る。上野の色街だから昼間は人通りが少ない。こんな通りにある店だから、昼はゆっくりできるはず。▲上記路地を入って二つ目の路地を左に見た風景。今回紹介する店は雑誌でもあまり紹介されたことのない『隠れ家』的な店で、私の隠しネタである。引き出しの随分奥から引っ張り出してきたようなものだ。だからといって期待して急いでいくような店ではないことは最初に申し上げておく。貴重なランチタイムにホッとできる店をこのシリーズでは選んでいるつもりだ。最寄り駅は銀座線の上野広小路駅か、大江戸線の上野御徒町駅。駅から徒歩2-3分なのだが「夜の街」(つまり飲屋と風俗の街)にあり、しかも路地を入るので「偶然見つけた」ということがほとんどあり得ない場所にある。マスコミ紹介も少なければ、ネットでもそんなに話題になったことはない店なのだ。もっとも今風の味ではないので「話題になる味ではない」とも言える。▲「二三太楼」の外観開店して数年の店なら知られてなくてもそんなに驚くことではない。しかし、この店は創業昭和27年の言ってみれば老舗である。メニューは豊富で普通の中華料理店並なのだが、店に入ってもそんな気がしない。中華料理店というと、少し慌ただしい感じがあるものだが、ここは小料理屋というか甘味屋というか、狭いながらもそんな雰囲気のある落ち着きがあるのだ。いま流行りの作られた「昭和の空間」ではなく、本物の昭和の息づかいが感じられるのだ。しかも奥には座敷もある。せわしない日々の仕事の合間に、ランチタイムにくつろいで食べる一杯もたまにはいいものだ。12次のページへ