デザートはお皿の上のちっちゃなサーカス。
ショコラ“レヴァランス”。左から:杏のゼリーをかけたチョコムース、アルギン酸で固めたブラッドオレンジ、ホワイトチョコレートパウダーをかけたチョコレートロール、バナナのアイスクリーム。 |
デザートは、「ショコラ“レヴァランス”」「苺のマシュマロ」「小菓子」の3皿。
アルギン酸固めのブラッドオレンジ。 |
驚いたのが、そのアイデアのリズミカルな要素。スプーンでつつくと、パカッ、ぷちゅ、ころん。チョコレートの板が開いたり、ブラッドオレンジが飛び出したり、ミクロなマシュマロが転がり出したり。まるで、それらはお皿の上のちっちゃなサーカス。
「ピエール・ガニェール」での3年分の研磨以上の満足を。
サブレと組み合わせた苺とチョコレートのマシュマロ。添えられているのは、香辛料を入れた苺ソース。 |
でも、これらのデザートを含むレストランの料理は、当たり前なのですが、それがどれだけ完璧なものであろうとも、それをサービスする人がいなければ成り立たないもの。それは、いわば、料理の全面サポーター。それを担うのが、オーナー兼ソムリエの亀山さんを中心とするホールスタッフの役どころです。
世界のトップでもある、パリの「ピエール・ガニェール」で研磨すること、3年。でも、その経歴に甘んじることなく、それ以上の満足を提供できるお店にしたいというのが、目下の心中。
来年も同じことをしていたら、今がもったいない。
小菓子。左から:きなこのマカロン、キャラメルとコーヒームースのサブレサンド(前)、リンゴのタルト(後)、トリュフショコラ。 |
穏やかな表情から発せられるのは、芯の強さを感じさせる名言ばかり。そのひとつが、「来年も同じことをしていたら、今がもったいない」。
そんな旺盛な向上心が、今最も大切にするのは、「解釈する気持ち」。「ストーリーは、テーブルごとにある。二人だけの世界に浸りたい人、料理の説明をもっと聞きたい人、それをどこまで解釈できるかが、サービスには必要不可欠」。
大事なのは、あくまで並びのサービス。
お茶のセレクトワゴン。その場で相談しながらブレンドしてもらうのも可能です。 |
「ひとつのテーブルにびっちりつくのは、とても簡単。だから、一番気を使うのは、全体のバランス。どのテーブルも、欲しいものが欲しい時に出てこなければ意味がない。
この日はワゴンからファーストフラッシュの紅茶ブレンドをオーダー。 |
実際、私が食事をいただいている時も、済んだお皿を一人が持ち上げ、くるりと後ろを振り向くと、そこにはいつの間にか、もう一人が待機している。受け取る→運ぶ、運ぶ→受け取るの理想的な流れが自然に出来上がっていました。
答えはすべてテーブルの上にある。
4名がけの丸テーブルのセッティング。 |
そんなホールのサービスの中で、いつも念頭にあるのは、「答えはすべてテーブルの上にある」。亀山さんは言います。「言葉が通じないフランスでも仕事ができたのは、テーブルをとにかくよく見ていたから。見てさえいれば、ゲストが今、何を望んでいるのかは、だいたい察しがつく。あとは、勘を働かせればいいだけです」。
ひと皿ごとに変わるこだわりのカトラリーも愉しみのひとつ。
外から見た夜の「レヴェランス」店内。天現寺の交差点から少し大通りを入っているので、とても静かです。 |
そんな「レヴェランス」のディナーコースは、この時はまだ13,650円のみ。と言うのも、この3月から価格と内容が一新されたから。現在は、アラカルトをなくし、前菜・魚料理・肉料理・デザート・小菓子で10,000円のコースも用意されています。
また、ランチも、前菜・魚または肉料理・デザート・小菓子で3,780円。これまでは、前菜・魚料理・肉料理・デザート・小菓子で5,250円のコースのみだったので、立ち寄りやすくなりました。
大量に管理されている熟成チーズと、ひと皿ごとに変わるジョージ・ジャンセンなどのカトラリーも、ここ「レヴェランス」の愉しみのひとつです。
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メニューブックとテーブルライト。 |
■レヴェランス
所在地:港区南麻布4-12-4
プラチナコート広尾1F
TEL:03-5475-3290
営業時間
ランチ :12:00~13:30(LO)
ディナー:18:00~21:30(LO)
定休日:日曜日(4月より火曜日)
*消費税込・サービス料10%別
日比谷線広尾駅1番出口より徒歩約5分
地図:Yahoo!地図情報
ディナー時の「レヴェランス」ライティング。 |
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