2008年12月、広尾にオープンしたフレンチレストラン。

レヴェランス
テーブルライトを通して見た「レヴェランス」店内。

会いたいと思っている人、縁がある人には、いつかまた会えると言うけど、それって本当かもしれないと思ったのが、ここ「レヴェランス」のオーナーとシェフの話を聞いてから。

「レヴェランス」は、昨年2008年12月に、広尾にオープンしたばかりのフレンチレストラン。オーナーであり、ソムリエでもある亀山和也さんと、シェフである堀宏至さんは、8年くらい前、なんと一度だけ、パリで会っていたのでした。

レヴェランス
白い壁とフランスから取り寄せた「ジュリープリスカ」のライトが印象的な「レヴェランス」ダイニング席。

それは、お互い、パリのとあるお店で、まだ修行中の頃。亀山さんが偶然食事に行ったのが、堀さんが働くお店。同じ日本人同士ということもあり、会話がはずみ、お茶に出かけた休憩時間。亀山さんは、堀さんの料理の手腕のみならず、人柄の良さまでをも強く記憶に留めることになりました。

それから数年。帰国した亀山さんに、お店を立ち上げる計画が持ち上がり、堀さんを探すも、堀さんはすでに、新富町の「ラ・ブリーズ・ドゥ・ヴァレ」のシェフ。残念に思っていたところ、「ラ・ブリーズ・ドゥ・ヴァレ」が事情で閉店し、亀山さんは早速、堀さんを「レヴェランス」のシェフとして迎えたのでした。

大変なことを当たり前にこなすシェフの熱意。

レヴェランス
「レヴェランス」のスタッフ(残念ながら1名不在)。左:亀山オーナー、中央:堀シェフ。

「堀さんのどんな所が、一番良かったのですか?」と亀山さんに聞いてみたところ、「上手じゃないところ」。

「ただ単に、有名な人や星つきのレストランの人でいいなら、いくらでも知っています。媒体の目に触れている時は、饒舌でパフォーマンスがうまい人も。でも、堀には、誰に頼まれたわけでもないのに、一人で四国の農家まで行き、野菜を勉強してくる熱心さがある。それを大変なことと思わず、当たり前のようにこなし、吸収してくるのが、堀のすごいところです」。

こだわりを追い越す柔軟性。

レヴェランス
アミューズ:噛むうちに甘味から強い塩味に変わる桜海老のチュイルと、中見たさに小さく噛むとこぼれるため、ひと口でいきたい帆立貝のコルネ。

実際、堀さんのお料理は、いつも時間とともに、目に見えて昇華するのだそう。それは、やはり堀さんが持つ柔軟性。オーナーをはじめ、皆の意見をスポンジのように吸収し、どんどんチャレンジしていく姿勢が、最大限の仕上がりを生み出すのでしょう。

もちろん、その根底には、堀さんのクラシックを表現する力があってこそですが、でもそれだけでは、必ずどこかで壁や限界がやってくるもの。いい意味で、こだわりを追い越せる、そこに堀さんのプラスアルファが存在するのでしょう。

その証拠に、料理は以前、「ラ・ブリーズ・ドゥ・ヴァレ」でいただいた時より、はるかに進化。それが如実に表れていたのは、特にアレンジ面。アミューズから、白ゴマに立てた桜海老のチュイルと黒ゴマに立てた帆立貝のコルネで、目を見張らせてくれました。

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