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今年の桜は目黒川~お奨めレストラン情報~(4ページ目)

2007年ドラマ『ハタチの恋人』の舞台にもなった目黒川。2008年夏の映画『グーグーだって猫である』でも、この辺りが使われています。そんな話題に満ちた目黒川は、今やお花見の名所。レストランから眺めるのもまた格別です。

執筆者:河野 優美


 

『プライド』で木村拓哉さんも撮影に訪れた「omamori」。

※こちらのお店は2008年8月に閉店。現在では「おまもり 中目黒」として、フレンチ料理とワインが楽しめるバルとして営業中。

<店舗情報>
■おまもり 中目黒
東京都目黒区上目黒1-26-1 アトラスタワーアネックス1F
TEL:03-3716-9899
東横線・日比谷線中目黒駅徒歩約1分

omamori
 

四畳半の部屋が4、5室連なる昭和30年代の建物。ここはその時代によく見られた、お風呂なし、炊事場、トイレ共同の下宿屋さんでした。ここが築50年を迎える頃、改装し、カフェとしたのが「bir-air(ビル・エアー)」。当時、原宿の「ラフォーレ」にも出店していた、気球のマークのアパレル会社です。

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「bir-air」の洋服のロゴが、今はお皿に描かれています。
横文字の店名が全盛の世の中、あえて平仮名を選んだのは、ホッとする雰囲気を出したかったから。また、「食養膳(今で言う栄養士のようなもの)」の資格も持つオーナーが、「体の中からたくさんの人を守りたい」と言ったのが始まりとなり、「おまもり(現在は、omamori)」と名づけられました。

昭和30年の面影と現代の空気が混じり合う古く新しい店内。

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店内には、今もまだその頃の押入れが残り、仕切りとして使われています。それを目の当たりにするのが、2Fのカフェ席と、古着をリメイクした服やバッグも扱うセレクトショップの間。

窓からは、左右から川面に垂れ下がる、まだ固いつぼみの桜が見えます。この目黒川沿いの桜は、以前一度、大洪水で流されてしまったことがあるそう。そのため、今のような深い堀が作られ、新たな桜が植えられました。

そんな昔話をスタッフの村田さんが聞いたのは、この「omamori」のオープンパーティーでのこと。大学生の頃、この下宿に住んでいたという男性が懐かしそうに語ってくれたそう。「桜は植えて10~20年くらいが一番見頃。良い時にカフェにしましたね」。

ここから眺める桜も今夏が最後。居心地の良さが恩返し。

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2Fのテラス席に出てみると、1Fから天井(2Fから見ると床)を突き抜けて伸びている木が目に入ります。この木も、下宿時代の頃から玄関先に生えていたものだそう。きっと、目の前の桜の流れと成長を、ずっとここから見守っていたに違いありません。

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1Fから2Fのテラスまで突き抜けて伸びる木。
でも残念なことに、ここからの桜の眺めも、今年の夏が最後。建物ごと、取り壊しが決まったそうです。「みんなでテラスの床にペンキを塗ったのが、まるで昨日のことのよう」。

「クローズに向けて、何かやっておきたいことはありますか?」とお尋ねしたところ、答えは「変わらないままでいること」。「昭和の雰囲気は今日、明日で急に作れるものではない。ゆったりした懐かしい居心地の良さを、来て下さる皆さんの中に記憶として残せたら、それが何よりの恩返しかなと思います」。

桜が咲く頃には、桜のロールケーキもお目見え!

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この日いただいたケーキは、「木イチゴのチーズタルト」と「濃厚ショコラ」。他には、「チェリーパイ」「抹茶のシフォン」「レアチーズケーキ」「タルトタタン」などがありました。

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桜が咲く頃は、メニュー替えになっているようですが、期間限定で桜のロールケーキなども作るそう。それと一緒に、桜の気分をより味わうなら、ソーダ水に桜のリキュールを入れた「さくらソーダ」や、これにアイスクリームを添えた「さくらソーダフロート」などがお奨め。春の彩りを楽しめます。

また、1Fのレストランにもプライベートで何度か訪れていますが、お味噌を使ったパスタがとてもおいしい。ランチは、サラダと飲み物がついてリーズナブルです。

天然酵母パンとケーキのお店「OPATOCA」。

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そしてはずせないのが、敷地内の一番奥にある「OPATOCA(オパトカ)」。古い校舎の一角にぽつんと佇むような、天然酵母パンとケーキのお店です。店名は英語かなと思ったら、「おいしいパンとケーキのお店」の略。ちょっぴりユーモラスです。

世界自然遺産「白神山地」のブナ原生林の腐葉土から発見されたと言う「白神こだま酵母」を使っているパンは、「バジル2世」と「ひらけゴマ」。卵や乳製品の力に頼らなくても、とてもふんわりとして柔らかです。

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前庭には柿やイチジク、ビワが実り、柿とビワは渋かったり不揃いだったりするため、スタッフのまかないになるそうですが、イチジクはジャムやドライにして、ここのパンやカフェのデザートに活用されるそう。前庭にはテーブルと椅子も置かれているので、ポカポカと晴れた日にソフトクリームを食べるのも、とても心休まる時間です。

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木の壁に看板がわりに書かれた「OPATOCA」のイラスト。
「洋服のショップは、見に寄ってくれた人が100人いたとしても、実際買ってくれるのは30人いるかいないか。「やっぱりもう少し考えます」と言って、もう一度戻ってきてくれる人は、日に1人いるかいないかです。でも、カフェは座った人ほぼ全員が、何かはオーダーするもの。その“当たり前”を当たり前と思わない接客をずっと心がけてやってきました。アパレルのマンツーマンの接客で身につけたサービスを、ラストの日まで届けていきたい」。

ここ「omamori」はこの夏、小泉今日子さんや上野樹里さんが出演する映画『グーグーだって猫である』でも使われています。

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映画のスタッフが作ってくれたという木の看板。
こちらのお店は2008年8月に閉店。現在では「おまもり 中目黒」として、フレンチ料理とワインが楽しめるバルとして営業中。
<店舗情報>
おまもり 中目黒
東京都目黒区上目黒1-26-1 アトラスタワーアネックス1F
TEL:03-3716-9899
東横線・日比谷線中目黒駅徒歩約1分


<店舗情報>2008年8月閉店
omamori(おまもり)
所在地:目黒区青葉台1-25-5
営業時間
ランチ :11:30~15:00(LO)
ディナー:18:30~22:30(LO)
定休日:無休

※上記すべて取材時(2008年3月)の情報・価格です。

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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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