2/3 THE WESTIN TOKYO ザ・テラス（恵比寿） [女性のためのグルメ情報] All About

ブッフェカウンター越しにシェフの手さばきに出会うダイナミックなオープンキッチン。

ブッフェのメインを集めたプレート。

「ザ・テラス」のブッフェは、キッチンとお料理を並べるカウンターがひとつになった５つのステーションを導入。

まず１つ目のステーションは、入口の「グルメエクスペリエンス」。スイーツ、デリカ、ペストリーなどが並ぶショーケースに、イートインスペース、カウンターバーが設置されています。イリーのコーヒーとサンドイッチをテイクアウトし、外のベンチで楽しむ人も。スターバックスに行くような感覚でホテルを利用できるのは、機能的で便利。

その奥のL字型カウンターには、見渡す限り目にも楽しい彩り豊かなお料理がずらり。ここが、「前菜ブッフェ」「ベーカリー＆グリル」「ホットキッチン」の３つのステーション。

伊勢海老と帆立と豆腐のスチーム。

その長いカウンターに沿う形で、オープンキッチンが配されているので、お料理はライブ感たっぷり。熱いものは熱いまま、冷たいものは冷たいまま、最高のクオリティーで並べられていきます。

ちまたには、今流行のオープンキッチンとうたうために、とってつけたような狭いキッチンを申し訳程度につけているところもあります。でも、ここはダイナミック。広い面積をキッチンのために開け放ち、オープンキッチンありきの食空間であることをしっかり魅せてくれます。

ゲストに見られる緊張感を楽しみに変えるウェスティンホテル東京総料理長。

ここを担当するのは、ウェスティンホテル東京・沼尻寿夫総料理長。このオープンキッチンも、総料理長の希望でオーダーされたものだそう。ゲストの目の前でアレンジし、サーブすることで、出来立ての味を楽しんでもらいたいという心遣いからだそう。


総料理長の腕を独占できるプライベートルーム。	プライベートルーム併設のキッチンに立つ沼尻総料理長。


気さくに笑みを向けるロタ・R・ペール総支配人と沼尻総料理。	「ザ・テラス」内のワインセラー近くの席。

カラフルオリーブ。

そんな料理長に、一番のこだわりは何か聞いたところ、答えはとてもシンプルでした。「ベース。メイン料理の華やかさはもちろんだけど、やっぱりベースとなるスープがしっかりしてないと」

その答えは、特に温かいお料理を口にした時、よくわかりました。お肉もお魚も野菜も豆腐も、随所まで幾重にも味が染み渡っている。目には見えなくても、きっとこの奥行きが食材のうま味を丹念に引き出したスープのなせる業。最高の贅沢は、お料理の底にあることを知った思いでした。

美味しい物には土台がある。料理長の笑顔がこんなにもやさしく豊かであるのは、厳しい姿勢で味を追求してきたであろう骨太な日々があるからなのだろうと想像せずにはいられませんでした。

ホテルで育てたたくさんのハーブで蒸すアスパラ。

そんな料理長の腕前を独り占めできるプライベートルーム。その名も「シェフズテーブル」。キッチン付なので、料理長が腕をふるう様子を、手品を見るように真近で堪能できます。

ゲストにじっと見つめられて緊張しないか聞いてみたところ、「その緊張感も楽しみ」との答え。ゲストと会話しながら、希望を聞き、食材によってその場でメニューをアレンジすることもあるそう。

喜びの時を腕一本で創り出す。「一番おいしい状態でお料理を届けたい」と何度もくり返していた料理長の言葉が、今になってより強く思い出されます。

ドイツからやってきたこれぞパン職人顔！　マンフレッド・ベルンハルトベーカリーシェフ。

マンフレッド・ベルンハルトベーカリーシェフ。

そんな料理長の横でパンを担当するのが、マンフレッド・ベルンハルトベーカリーシェフ。ここのオープンと同時にドイツからやってきたヨーロッパパンの名手です。

しかもどこから見ても、パン職人顔！　シェフ服を着ていなくても、「この人」ってわかっちゃう気がします。こういうのをきっと天職って言うんでしょうね。

パンは、「ベーカリー＆グリル」カウンター後方の大オーブンで、毎朝５時半から焼き始めるそう。その場で出てくる焼き立ての味は、この日、シェフの笑顔とともに忘れられないひとこまになりました。