幹部候補者に最後に投げかけられる質問
ナポレオンは司令官候補者の面接にあたり、最後には決まって次の質問をしたそうです。「ところで君は運が良いか?」
戦争に勝つ方法は現実の力です。兵力、武器、物資、兵站、戦術。これら要素を決戦時までにどれだけ相手よりも拡充できるかにかかっています。
戦争の天才であったナポレオンは、その意味では徹底的なリアリストであったといえます。しかしこの逸話は、そんなナポレオンでさえも、運の要素を重要視していたという証左になりそうです。
運を引き込む
一流の人間は、制御不能な運でさえも、何とか味方につけようとしている。そんな執念を感じたエピソードを、双六屋が目撃した試合からご紹介しましょう。2001年のバックギャモン日本選手権でのこと。国内4名、海外4名のトッププレイヤー8人による、特別なトーナメントが立ちました。そして決勝は長谷川俊介、アメリカのナック・バラットの激突となりました。
ナック・バラットこそこの競技では「超」のつく一流プレイヤー。彼を世界最強と呼ぶ人も少なくありません。彼にはあるジンクスがあるのですがそれが決勝での戦いに微妙な綾を生むことになります。
世界最強のプレイヤーのジンクス
ナックは常に自分のゲームボードを持ち歩いています。彼のジンクスは自分のボードで戦うというもの。バックギャモンの世界では大会運営側が用意したボードを使わずにマイボードを使うという行為自体は珍しくありません。ナックは決勝でもそれを主張しましたが、しかしその願いは、大会運営者から却下されました。
というのも大会の公式ボードにはスポンサーのロゴ入り。試合の模様は俯瞰カメラで別室にて観客達が観戦していますので、今回ばかりはボードの変更は不可能です。
その時ナックがとった驚きの行動とは→