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ナポレオンからの最後の質問(2ページ目)

ナポレオンが司令官候補生との面接で、最後にしたといわれている質問があります。一流の人間が、一流であるからこそ、制御しようとするもの。その秘密に迫ります。

執筆者:双六屋 カゲゾウ


一流プレイヤーの執念、それは・・・

しかしそれでも彼は食い下がり「ボードは公式用をつかっても駒は自分のものを使用する」という執念ともいえる妥協案を大会運営者に認めさせたのです。

本来赤と青であるはずの駒が黄色と黒(ナックの持参の駒)になっていたので少し奇異に感じたのを憶えていたのですが、水面下ではジンクスに拘ったナックの執念があったことを後で知りました。

しかし結果はナックの恐れていたとおり。長谷川がナックを降し勝利! 海外のビックネームを日本人プレイヤーが破るという、日本バックギャモン界にとっては歴史的な一日となったのです。

ネガティブな要因はことごとく排除する

優勝をしたのは長谷川の実力であり、マイボードをでないとナックが弱いということではありません。しかし一方ではダイスを使うこのゲームは確かに運によって勝負の趨勢が決まってしまう場合もあります。

世界最高と謳われるプレイヤーでさえ、運を呼び込むためにこれだけの努力をしているという証左になるとおもいます。

これらのエピソードを知った当時は一流の人間もジンクスやゲンを担ぎ、運任せなのだなとおもっていましたが、最近考えを少し改めました。

人生には多くの挫折や失敗があります。仕事で、スポーツで、勝負事で、ゲームで、つい「運が悪かった」と軽々しく口にしていました。

しかし、失敗の大抵の場合は自分の不注意や努力不足が原因であり、振り返ってみれば準備さえしていれば避けられたものが多くありました。

神頼みは、準備をしたものだけの特権

運にこだわるという態度は文字通り「人知を尽くして天命を待つ」を行った者だけに許される言葉なのです。

徹底した研鑚と努力を積み重ね、最後に残った制御不能である運であっても、ネガティブな要因があれば徹底的に排除する。そこに一流の人間の凄みがあるのだと思いました。
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