カードゲーム・ボードゲーム/カード&ボードゲーム関連情報

アラサーゲームの実力!ウサギとハリネズミ(2ページ目)

イギリスのゲーム研究家のデビッド・パーレットによって世に送り出されたこのゲームは、サイコロを使わないユニークな双六。30年以上も遊び継がれているその秘密に迫ります。

執筆者:双六屋 カゲゾウ


コマは進めたし、ニンジンは足りなし

ウサギとハリネズミ
プレイヤーの頭を常に悩ますニンジンの本数。進むのも、補給するのも容易ではない。
コマを1マス進めるなら、コストとしてニンジンを1本払います。

2マスなら3本、4マスなら10本・・・ 10マスなら55本。

「進めるマス数と支払うコスト」は階差数列の関係になっており、一度に長い距離を進もうとすると、そのコストとして莫大な量のニンジンが必要になってきます。

ボードにあるマスの総数は、64マスなので、理論上は1プレイでゴールできますが、そのためには実に2080本ものニンジンが必要になります! 
(ちなみにスタート時には、最大でも95本までしかニンジンは支給されません)

俺にニンジンをよこせ!

ウサギとハリネズミ
ルールブックの巻末に表があるので、進むためのコストは一目瞭然。64マスで2080本って…
ゲーム序盤では、手持ちのニンジンはあっという間に底をつき、プレイヤーは常にニンジン不足に悩まされることでしょう。

もちろんニンジンは補給もできます。

手番の最初に、自分のコマがいるマスに数字が書いてあり、かつ現在の自分の順位と数値が一致していれば「自分の順位×10本」のニンジンを得ることができます。

このため、下位にいたほうがニンジンの補給数が多くなる傾向にありますので、レース中は、かならずしも先頭が有利でない点がユニークです

例えば、自分の順位が4位で、コマがいるマスに「4」とあった場合、40本の補給ということです。

思惑が入り乱れる順位変動

ただし、手番の最初というところがミソです。手番終了時に、順位とマスの数字が一致していても、一回りする間に、順位の変動があるからです。

他プレイヤーもそれを見越して、該当プレイヤーにニンジンを取らせないように当然のごとく妨害してきます。

ウサギとハリネズミ
ニンジンを10本補給(あるいは破棄)できるニンジンマスや、レタス(説明後述)を処理できるレタスマスなど、マスもいろいろ。
補給の方法は他にもあります。

プレイヤーは、ハリネズミが描かれたマスにノーコストで「後退」するできます。

これによって「後退したマス数×10本」のニンジンを得ることができるのです。

このためプレイヤーは、できるだけ長い距離を後退したほうが、多くのニンジンを得ることができます。

勝つためには、時にはできるだけ後退する。レースゲームなのに不思議なジレンマがそこにあります。

ウサハリは記念碑的ゲーム→
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます