3/3 ベン・ハー、ジョジョファンを酔わす戦車戦 [カードゲーム・ボードゲーム] All About

アベ・カエサルであの戦車レースを追体験すべし

両作品を予習したましたか？　それではいよいよアベ・カエサルの箱をオープンしましょう！

無骨な旧版と比べると、新版はグラフィックが細密になり、映画の『グラディエイター』のようなヴィジュアルになっている。

プレイヤーは戦車を駆って、コロッセオ（おお、この響きだけで様々なシーンが脳裏を掠めるぞ！）の特設コースを最初に３周すれば勝ち。

戦車の走らせ方は自分のターンに、手札３枚のカードからうちから１枚をえらんで出すだけ。カードには１～６までの数字が記載され、その数値分だけ戦車を進めます。いわばカードを使った双六なのですが、これが一筋縄にはいかない！

火花を拭く、コース取りの駆け引き！

なぜなら、コロッセオのコースは広い場所でも２車線しかありません。この狭隘なコースの中を、数台の戦車がひしめき合あって激走しなければならないからです。

さらにアベ・カエサルでは相手の戦車を飛び越えて進むことが禁止されています。そのためこのゲームではコース取りがすべてといっても過言ではありません。

馬は嘶き、手綱は汗ばみ、車輪は軋む。恐れもせず狭隘なコースに飛び込んでいく戦車レースの戦士たち。

インコースをブロックすることで敵を大外に走らせたり、１コースにすぼまるマスでは、そこを抑えることで敵のオーバテイクを阻止したりすることができます。レース中は、ブロックキングとオーバテイクの熾烈な攻防が繰り広げられます。

ちなみに双六屋がアベ・カエサルを遊ぶときは、ベン・ハーやジョジョの世界に完全にトリップしています。ゲームの蓋を開けた瞬間から群集の大歓声が響き渡り、一度戦車が走り出せば、車輪は土煙と轟音をあげ、目の前には風を切り裂いて疾走する馬の鬣が見えます。（いやマジで）　そしてライバルたちは全メッサラでありワムウなのです！　

ローマ帝国時代の戦車レースというモチーフ、シンプルでありながらかならずエキサイティングな展開を演出するメカニズム。その２つが高次元で融合した掛け値なしの傑作です。