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君は『100万$キッド』を知っているか?

かつて少年マガジンで連載されていた『100万$キッド』はいまでいうところのトンデモ本。が、荒唐無稽さ加減は清々しいくらい突き抜けていて、並みのギャンブル漫画など吹き飛ばすおもしろさだった。

執筆者:双六屋 カゲゾウ

ギャンブル漫画のツボは「ありえねー度」

ギャンブル漫画は「ありえね~度」と「リアル度」の絶妙な配合(双六屋の見立てだと8:2)によって、読み手の燃焼度をあげてくれます。古くは『哭きの竜』、最近だと『賭博破戒録 カイジ』とか『嘘喰い』なんかがいい塩梅ですよね。

100万$キッド
『100万$キッド』
石垣ゆうき 原案協力:宮崎まさる
出版 講談社(全9巻)
が、ときたま「ありえねー度」に、完全に針が振り切れているものがあります。


双六屋の脳にはっきり刻まれているのは、小学生の時分、『少年マガジン』に掲載されていた(たしか80年代後半)『100万$キッド』という作品です。


ポーカー世界選手権はイカサマ師の祭典

主人公の二階堂ひろしは、財閥の御曹司でありながら(しかも明らかに未成年!)ギャンブラー稼業に身を投じます。

このひろし、まずはポーカーにのめり込みます。1巻では、伝説のポーカープレイヤーと渡り合い、その腕を見込まれ2巻では、ラスベガスで行われるポーカーワールドチャンピオンシップ(おそらく実際に行われているWSPOを手本としていると思われる)出場。



で、ここに登場するひろしの対戦相手がほとんどイカサマ師! 「ばれなければイカサマじゃねーよ」とばかりに、やりたい放題。(フェアに戦う強豪プレイヤーもいないことはなのですが…… ) 


エピソード中、いちばんトンデモなかったのは、世界的に著名だというミス・マーベルという占い師。プレイの最中、マーベルが水晶玉をのぞき込むと(本来なら、そもそもこんなアイテムは持ち込めないのだが)ひろしの手札をことごとく見透かしてしまいます。すわ凄腕の占い師かぁ!

ミス・マーベルのイカサマの種明かしはこちら→ 
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