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映画にも登場するカードのイカサマ。それは・・・ イカサマ師たちの秘密の技法

目にも留まらぬ手妻。それをスライト・オブ・ハンド(手先の早業)と呼びます。今日は秘密のカードテクニックをご覧いただきましょう。こんな手練れとまともに立ち会っては勝てる見込みはゼロ。くれぐれもご用心!

執筆者:双六屋 カゲゾウ

「例の持ち方」とは何だ!?

海千山千のポーカープレイヤーたちの生態を描いた、映画の『ラウンダーズ』では次のようなシーンが出てきます。主人公のマイクにポーカー仲間のクニッシュが苦言を呈します。マイクの幼馴染でムショ帰りのワームがイカサマを使って賭場を荒らしているからです。

クニッシュ「ヤツはお前の名を汚しているぜ」
マイク「くそ、あいつめ、やめておけと言ったのに! 誰かにバレたのか?」
クニッシュ「まだ誰も気が付いていない。(中略)でも、例の持ち方をしてたんでオレには分かったんだ。」


注目すべきは「例の持ち方」という言い方です。原文ではこうなります。

with that mechanic's grip,

これは一体何のことなのでしょう?

「いかさま師の握り方」-メカニック・グリップ

普通にデックを保持している手
通常は、デックの縦長方向に、親指以外の4本がかかっているはず。
このメカニック・グリップ(mechanic's grip)こそイカサマ師たちの秘密の一部なのです。そもそもメカニックは俗語で「イカサマ」の意味になります。

みなさんがカードを配るときを思い出してみてください。デック(山札)を左手に保持し、左手の親指でデックの一番上のカードを一枚づつ繰り出し、右手にパスして配るはずです。

この時、左手の他の指はデックの縦長方向の縁に4本揃っているはずです。





メカニカル・グリップでデックを保持している手
普通の持ち方と違うのは人差し指の位置。たったコレだけのちがいなのだが・・・
しかしこの映画でワームがやっていたように、イカサマ師が、イカサマを使う場合はこのデックの保持の仕方に秘密があります。

左手の人差し指が、普通にカードを配るときとは異なった位置にかかるのです。これがメカニック・グリップです。そしてこの「例の持ち方」こそある秘密の技法の前段階になります。

ではその秘密の技法を次のページで!
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