映画⇔テレビゲームの幸福な関係
人気のデジタルゲームの映画化、あるいは映画がデジタルゲーム化される。バイオハザードやポケットモンスター(過去にはスーパーマリオも実写で映画化された例も)など比較的目にするケース。またロード・オブ・ザ・リング~指輪物語~のように映画がボードゲーム化されることも珍しくありません。しかし唯一、ボードゲーム→映画化といったことはめったにお目にかかれません。(劇中に小道具として登場することはしばしばありますが…) しかし物事に常に例外があります。『殺人ゲームへの招待』という映画は、古典的傑作ボードゲームの『CLUE』からインスピレーションを得ています。
集められた関係者。その屋敷の中で殺人事件が発生する!いちはやく事件の真相を突き止めろ |
プレイ人数:3-6人
プレイ時間:45分位
ミステリーの要素を見事に落とし込んだボードゲーム
まずは映画のアイデアの基になったゲームの方からご説明しましょう。クルーはミステリーをモチーフにしたボードゲーム。発売当初はその画期的なシステムと無類のおもしろさから、たちまち人気ゲームになり、その後世界中で翻訳され、さまざまなバリエーションが発売されました。ゲームの目的はズバリ「犯人当て」です。
スタート時、犯人・凶器・犯行場所の3系統のカード群から、それぞれ一枚づつ引き抜かれ封筒の中に隠されます。残ったすべてのカードは各プレイヤーに配りきられます。この隠された3枚が何であるかを一番早く突き止めたプレイヤーが勝者です。
プレイヤーはターン毎に、屋敷内をサイコロによって移動。部屋に入れば、事件の真相と思われる3要素(犯人と凶器と犯行場所)を「推理発表」として他のプレイヤーに宣言することができます。
他のプレイヤーは、その要素のうち間違ったものがあったのなら、宣言したプレイヤーにのみにそれをこっそり教えます。具体的には、自分の手札から宣言にあったカード(そこにあるということは、封筒に隠されたカードではないということ)を見せることでそれを証明します。
宣言したプレイヤーは、この間違いの指摘を受けることにより、封筒に隠された真相のカードを消去法・帰納法で絞り込んでいくというわけです。
プレイをするとわかるのですが、屋敷をまわり手がかりを集め、誰よりも早く真相に辿りつくという競争とプロセスは、それこそホームズ、ポワロといった名探偵たちの活躍を自分が追体験している気分。この推理合戦を制したときの快感といったらありません。
ミステリーというテーマ故、『クルー』のバージョンの中にはヒッチコック版や、日本では名探偵コナン版までが発売されました。その作品のファンであれば、思い入れ度によってプレイが盛り上ること請け合いです。
さて今度は映画の方を・・・