最後の方は僕がプレイしているというよりも、自分は何かに何かを任せられたという感じでした。最善手は神様が決めることですけど、本当のベストムーブは何かを自分で考えて、それを導き出していくだけなんですよ。そこに自分の感情とかはいりません。余計なものなんです。
例え相手がどんなにへぼだろうが、世界チャンピオンだろうが、スコアはどうだろうが、「あなたはこの局面でどうしますか」という問いをこなしていくだけです。
そうしていると賞金とかがまず頭の中から消えるんですよ。それでギャラリーとかも消えていって、この試合がどれだけ大切なマッチかも相手も消えていって最後に残ったのは僕自身とボードだけ。勝ちたいという気持ちさえも消えていました。今回はそれが結果的にそれが勝ちに繋がりました。
いつもの自分だったらどんどん気持ちが高まって、慌てて、興奮して、眠れないなんてことがあるんですけど、ラスベガスに限ってはそれがなかったですね。
――望月さんにとってのバックギャモンの魅力とはなんですか
難しいなぁ 自分が一番好きなものなので一番答えにくい質問なんですけど、バックギャモンは研究しても研究しても常に先があるんです。一生かけて追求できるテーマです。そういう意味ではかなり耐久度が高いゲームですよね。
ただ耐久度が高いだけならチェスでもオセロでもいくらでもあったし、たまたまこの世界に入ったというのもありますけど、一番入って良かったと思うのは面白い人たちがいっぱいいた。日本人や外国人問わずです。逆にいえばそれがなければそんなに長く続いていなかったと思います。
――今後の目標を教えてください
もう一回大会で勝ちたいですね。特にヨーロッパの大会で。ラスベガスは運だったといわれないように。来年は3ヶ月以上ヨーロッパに滞在してあちらの大会に出場する予定です。
――最後にまだバックギャモンを知らない、あるいはこれから始めてみようという方に何かメッセージをお願いします
バックギャモンはルールが簡単で入り口が広いゲームです。それでいて、日本選手権があって、世界選手権があって、奥は本当に深いです。強くなればなるほど楽しさは増しますし、大会などで賞金を手に入れられることもあり、夢があるゲームだと思います。やったことがない人がいたら是非一度は遊んでほしいと思います。
――長い時間ありがとうございました。益々のご活躍を祈念しております
今回インタビューさせていただいたのは代官山のミケランジェロというカフェ。実はこの場所、毎週火曜日の夜は日本バックギャモン協会がゲームの普及のために催している「バックギャモンナイト」というイベントをやっています。
未経験者の方からエキスパートまでどなたでも参加は大歓迎。指導料などは一切不用。費用は自分がご注文した飲食代だけです。ワールドクラスプレイヤーも毎回参加しているので直接指導してもらうことも可能です。詳細はこちらに→カフェミケランジェロ バックギャモンナイト
【関連・参考サイト】
・日本バックギャモン協会ホームページ
・カフェ ミケランジェロ
・きんちゃんのバックギャモン(今回ラスベガスの画像をお借りした研究サイト)
・バックギャモンリンク集(ガイドおすすめINDEX)