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『大玉』に現代サラリーマンの縮図を見た!

とんでもないゲームが発売されました。その名も『大玉』です。ホンモノの任天堂社屋もゲーム中に登場しちゃいます。あの『シーマン』で巷を沸かせたクリエイターの最新作、その魅力と真相に迫ります!

執筆者:川島 圭太

とんでもないゲームが発売されました。その名も『大玉』です。あの『シーマン』で巷を沸かせたクリエイターの最新作、その魅力と真相に迫ります。読めば『大玉』がもっと面白くなる! 遊びたくなるッ!

『大玉』の源流は、あの意外な事件から!?

『大玉』という鉄球は、戦局を大きく左右する究極の巨大兵器という位置づけ。

一見、ピンボールゲームのようにも見える『大玉』。しかし実際に遊んでみると、それは“斬新なピンボール”どころか、斬新なゲーム性を追求した結果、たまたま“ピンボールみたいなゲーム”になった!という印象すら受けます。プレイヤーが操作する『大玉』と呼ばれる巨大な秘密兵器は、敵兵、そして時には味方兵までも容赦なく吹き飛ばしてしまいます。そんな『大玉』の源流は、本作を手がけたゲームクリエイター・斎藤由多加氏の、幼少時のある体験にまで遡ることができるようです。

それは、あの“浅間山荘事件”。

人質救出のため、警察の強行突入の際に大きな鉄球のクレーンが使われた光景は、テレビの生中継を見ていた全国の視聴者の度肝を抜きました。それは斎藤氏にとっても例外ではなく、この光景が、『大玉』のコンセプトを生み出すうえで潜在的に影響しているのかもしれない、と斎藤氏は明かします。

簡単操作をも両立させた“おおだマイク”の爽快感

斎藤由多加氏といえば、あの『シーマン』でも音声認識技術を駆使して、憎らしくも可愛らしいペットとの独特の「コミュニケーション」を実現しました。そして最新作の『大玉』でも、すべてのソフトに標準同梱されている“おおだマイク”を使って、ゲームの中にいる兵士たちにプレイヤーの声を伝えることができます

信頼度が低いと、兵士たちが命令を聞いてくれないことも……。

しかし、『シーマン』と『大玉』が似ているようでまったく異なるのは、それが「コミュニケーション」ではなく「コマンド」であること。いわゆるピンボールゲームとしての操作に加えて、兵士たちへのコマンド(命令)もボタンで入力するのでは、あまりにも操作が複雑になってしまう……という理由から、『大玉』では音声認識という技術が使われているのです。

プレイヤーが声を出すことで、それはボタン操作以上に“感情”をともなうコマンドとなり、いわば体育祭のような高揚感、爽快感、そしてコマンドの簡素化をも同時に実現しているというわけです。

個性派俳優の重鎮・大滝秀治氏も、ゲームのお仕事は『大玉』が初。

そして“声”といえば、もうひとつ『大玉』において重要な役割を担っているのが、プレイヤーに助言をしてくれる“ナレーション”の存在。この役を担当しているのは、日本が誇る名優・大滝秀治氏!(黒澤映画や、最近ではキンチョールのCMなどでもお馴染みですね)

あまりに身勝手なプレイをしていると、大滝氏から「何をやっておられるか!」などと怒られてしまうことも……しかし、それを不快に感じるどころか、むしろゲームを続けるモチベーションにもなってしまうあたり、さすがは名優。貫禄も説得力も、ハンパではありません!

命令する武将と、犠牲になる兵士たち。

大玉が緑色の「天の玉」になったら大チャンス。味方に当たっても潰してしまうことはない。

ピンボールのようで、ピンボールではない『大玉』。盤面には大勢の兵士たちが入り乱れ、究極の兵器である“大玉”によって敵兵を、ときには味方をも犠牲にしながらステージクリアーを目指します。

それは爽快でもあり、理不尽でもあります。

武将たるプレイヤーは、兵士たちに「進め進め!」「押せ押せ!」などのコマンド(命令)を与え、兵士たちは危険を承知しつつも、武将を信頼し、命令に従って先陣を切ります。そして戦勝の手柄はすべて、命令を下した武将のものになる、という理不尽さ。武将(上司)に仕える名も無き兵士(サラリーマン)という構図ゆえに、現代のサラリーマンにとっては同情しやすいであろう、人間の喜劇なり悲劇なりが『大玉』では描かれているのです。

……と、こんな“解釈”を、ワタクシは『大玉』を遊びながら考えてみたのですが、それが“確信”に変わったのが、こんなトンデモないステージを目の当たりにした瞬間でした。まさに、戦国時代の兵士も、現代のサラリーマンも、権力者に仕えているという意味では同じ……というキョーレツな風刺なのかもしれない!

>> 任天堂社屋ステージのスクリーンショットは次ページ!

 

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