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“伝え手”が語るニンテンドーDS

普段ゲームを遊ばない人でも楽しめる「ニンテンドーDS」。普段ゲーム雑誌を読まない人でも知っている、ゲーム雑誌の王道「ファミ通」の編集長は、ニンテンドーDSをどう語る!?

執筆者:川島 圭太

ニンテンドーDSと、ファミ通の役割(Page 1)
ニンテンドーDSの「キラータイトル」は
バカタール加藤さん
バカタール加藤さんのプロフィール

大好評のニンテンドーDSインタビュー第二弾となる今回は、あの「週刊ファミ通」の編集長・バカタール加藤さんにご登場いただきます。ニンテンドーDSの“伝え手”からは、いったいどんなお話が飛び出すのでしょう? ニンテンドーDSの“送り手”たる、任天堂企画部の萩島さんにご登場いただいたインタビュー第一弾 もあわせて読んでみてくださいね!

───週刊ファミ通の編集長という立場上、発売前にニンテンドーDSにさわる機会も多かったと思いますが、初めて出逢ったときの感想はいかがでしたか?

バカタール加藤さん(以下、加藤): ニンテンドーDSとの初めての出逢いは昨年のE3(注1)でした。タッチペンでピカチュウの顔を引っぱったり、粘土のようなものを削ったりするデモプレイのようなものを遊べたのですが、タッチパネルの操作感覚がとても新鮮で気持ちよくて、「これはスゴイ!」と思いましたね。試遊コーナーにはE3史上最長とも思える長蛇の列ができていて、僕も1時間半くらい並びました(笑)。

───ご自身でも購入されたのですか?

加藤: 発売前に遊んでみて、「これは絶対に欲しい!」と注目していたソフトもありましたからね。発売日にさっそくニンテンドーDSを一台購入して家に帰ったら、僕の奥さんが「いいな~、いいな~」と言うので、すぐに翌日もう一台購入してしまいました。

───加藤さんのお気に入りのソフトは何でしょう?

加藤: 本体といっしょに購入したソフトは、『ZOO KEEPER』『直感ヒトフデ』『大合奏!バンドブラザーズ』の3本です。僕の奥さんも好きそうなソフトを選んでみたのですが、案の定ハマっています(笑)。

───僕が購入したソフト(注2)と見事に重なっていないです(笑)。それぞれのソフトの感想はいかがですか?

加藤: 僕は詰め将棋やパズルのような遊びが大好きなので、『直感ヒトフデ』や『ZOO KEEPER』はちょっとした時間つぶしには最適のソフトですね。『直感ヒトフデ』は“ペンでなぞる”という行為を上手くゲーム化していてとても面白いですし、『ZOO KEEPER』はこれまでのシリーズの中でも最高傑作ではないかと思います。それくらい、タッチパネルとパズルゲームの相性がとても良いんです。

『直感ヒトフデ』『ZOO KEEPER』
『直感ヒトフデ』
(C) 2004 Nintendo
/ MITCHELL
『ZOO KEEPER』
(C) 2004 BUDDIEZ,INC
LICENCED to SUCCESS

加藤: 『大合奏!バンドブラザーズ』は週刊ファミ通編集部で大流行しました。編集部員みんなでライブを開催して盛り上がったくらいです。1月21日(金)発売の週刊ファミ通2月4日号に、その模様が載っていますよ。

───『大合奏!バンドブラザーズ』をはじめ、ニンテンドーDSには多人数で遊べるソフトがたくさんありますね。

加藤: オンラインゲームとはまた違う、任天堂さんが目指しているネットワークのあり方を代表するソフトが『どうぶつの森』だと思うんです。ゲームキューブ版では、メモリーカードを持ち寄って友達の家に“おでかけ”するという、アナログ感覚のコミュニケーションを実現しています。ニンテンドーDSなら、無線通信機能を使って“おでかけ”がもっと気軽に、もっと楽しくなりそうですよね。ニンテンドーDS版の発売を今からとても楽しみにしているんです。

───前回のインタビューで萩島さんが大プッシュしていた『Nintendogs(仮称)』も、そういったアナログ感覚のコミュニケーションを楽しめそうですよね。

加藤: 僕も、発表会でまっさきに「欲しい!」と思いました。良い意味で“ゲーム”っぽくない所が面白いですよね。任天堂さんは、これまでに培ったゲーム作りの文法やルールをしっかりと持ち込んで、完成度の高い作品を生み出す会社というイメージがありましたが、ニンテンドーDSには、いわゆる“ゲーム”とは違うけれど、“エンターテイメント”として面白い作品が登場しています。それが新しい魅力であり、大きな役割のひとつでもありますよね。『Nintendogs(仮称)』はニンテンドーDSのキラータイトルになりえると思います。僕、犬が大好きですし、個人的にも楽しみにしています(笑)。

『大合奏!バンドブラザーズ』『どうぶつの森DS(仮称)』
『大合奏!バンドブラザーズ』
(C) 2004 Nintendo
『どうぶつの森DS(仮称)』
(C) Nintendo
『Nintendogs(仮称)』
『Nintendogs(仮称)』
(C) 2005 Nintendo

───ニンテンドーDSとPSPの発売によって、昨年の年末商戦は大きく盛り上がりました。

加藤: 単純に販売台数の比較をすれば、今のところニンテンドーDSに分がありますが、PSPも発売以来ずっと品薄で、“出せば売れる”という状況が続いている。どちらも成功を収めているという状況は、いちゲームファンとして嬉しいことです。僕は両方とも購入しましたが、たとえばニンテンドーDSでは移動中などのちょっとした時間でサクッと遊べるソフトを選んだり、PSPではじっくり遊べるソフトを選んだりと、気分やTPO(注3)に応じて使い分けています。

───PSPについては、どのような感想を抱きましたか?

加藤: ニンテンドーDSが先に発売されたときは、「これぞ新しい携帯ゲーム機だ!新しい文化の創造だ!拍手喝采!」と思っていたもので、じつはPSPに対しては「今までの文法に沿ったゲーム機なんだよね~」なんて思ってしまっていたんです。でも実際に手にとって見ると、携帯ゲーム機としてはかつてない映像のクオリティと画面のサイズには、やっぱり感動してしまう(笑)。

───ニンテンドーDSは、どちらかというとグラフィックやサウンドなど技術の“進化”よりも、遊びとしての“新化”を追求していますよね。

加藤: 確かに、据え置き型ゲーム機においては、グラフィックやサウンドがどんなに凄くても、目の肥えたユーザーを感動させることは難しくなっています。こういった技術面での競争は無意味ではないか、という任天堂さんの考え方はとても理解できますし、共感できます。しかし、それが唯一の正しい答えというわけでもないと思っています。ニンテンドーDSもPSPもそれぞれ、コンピュータが僕たちに与えてくれる新しい感動の可能性を見せつけてくれました。まさに2社2様で、面白いですよね(笑)。

───これまで任天堂が圧倒的なシェアを占めてきた携帯ゲーム機市場ですが、今後はどうなると思われますか?

加藤: ニンテンドーDSとPSPは、ゲーム機としての方向性がまったく異なるからこそ、当分のあいだは“競争”とは違う共存が続いていくでしょうね。いちゲームファンとして、昨年末は立て続けに面白い体験ができてシアワセでした。

(注1)「E3」=「Electronic Entertainment Expo」の略。毎年春にアメリカで開催される世界最大のゲームイベント。
(注2)ニンテンドーDSの発売日、ガイドは『さわるメイドインワリオ』『スーパーマリオ64DS』『きみのためなら死ねる『研修医 天堂独太』』『ポケモンダッシュ』の5作品を購入。
(注3)「TPO」=時(time)、所(place)、場合(occasion)。

ゲームとともに、「ファミ通」は進化する!
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<目次>
ニンテンドーDSの「キラータイトル」は
良い意味で“ゲーム”らしくない、アナログ感覚のコミュニケーションを実現!
ゲームとともに、「ファミ通」は進化する!
ニンテンドーDS、インターネット、娯楽の多様化・・・ファミ通はどうなる!?

 

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