本当にWiiリモコンは誰にも直感的なのか?
実際に体を動かしてプレイすることのできるWiiリモコン。しかし、それは本当に全ての人にとって直感的なのでしょうか? |
例えば、タッチペンでゲームをする時に、ボタンを押してやるよりも直感的でない、違和感があるという人はいませんか? Wiiでアクションゲームをする時に、剣を振る動作をWiiリモコンで振る動作でやるよりも、ボタンを押す方がしっくりくる、という人はいないでしょうか?
今回は直感的であるということがどういうことなのか、本当にリモコンやタッチペンは誰が使っても直感的なのか、ということについて考えてみたいと思います。
直感とは、目の前のバーをくぐるかまたぐか分かるようなもの
くぐることのできる高さ、またぐことのできる高さ、そのどちらも直感的に分かるものですよね。 |
知覚というものは、視覚や聴覚、味覚などの5感によって行われていると言われています。しかし、本当の意味での知覚は、目や耳だけでは完結しません。そこには身体全体が深く関わってきます。簡単な例で言うと、リンボーダンスをする時のようなバーが、ある高さで道を遮っていたとき、それをくぐれるか、あるいはまたげるか、これはほとんどの人が簡単に分かります。高さは何cm? なんてことは分からずとも、それこそ直感的にくぐれる、またげると分かります。
このくぐれるとかまたげるとかいう感覚は、身長や足の長さ、あるいは体の柔軟さや体重など、ありとあらゆる身体的性質と強い結びつきがあって成立しています。自分のことであれば、自分の足の長さが何センチメートルかなんて頭では知らなくても、ここまでの高さなら楽にまたげる、ここからは難しそう、などと直感的に分かります。
では、自分の体格とは全く関係無しに、身長180cmで体重120kgの人ならどの高さまでまたぐことができるのか、といわれるとどうでしょう? これは難しい問題ですね。自分の身体と無関係なことは直感的には分からないのです。つまり、目で見えても、身体的意味がついていかなければ、知覚が成立しません。当たり前と言えば、当たり前のことです。
知覚と身体には大きな関わりがある、というお話をしましたが、今度は逆に自分の体では無い物を通して自分の体かのように知覚できるというお話、そしてそのこととゲームとの深いかかわりについてです。