生産出荷と出荷は意味が違う

生産出荷、出荷、販売の図
それぞれの言葉がどの時点の数をカウントするか確認してみましょう
さて、今度は少し紛らわしい「生産出荷」という言葉についても触れておきます。この生産出荷というのは、主に農家などで使われ、ゲーム業界ではほとんど使われていません。ではなぜここで説明するのかというと、もっとも普及している据え置き機であるプレイステーション2のメーカーのソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCE)でよく使われているからなのです。

出荷と生産出荷ではカウントしているタイミングが違います。出荷というのは先ほど説明した通りメーカーが問屋さんに卸した数を言いますが、生産出荷というのはその一歩手前で、生産拠点から出荷した数を数えます。もう少し分かりやすく言うと工場から倉庫などに移動した時点の数を数えるということですね。つまり工場で出来上がって出てきた数ということです。

同じハードメーカーでも任天堂は出荷数で発表することが多く、SCEは生産出荷で発表することが多いので注意が必要です。また、それらと販売数とも違うということもお忘れなく。

同じ販売数でも数字が違う?

最後に、余談ですが、同じソフトの「販売数」として発表されたものでも違う数字が出てくることがある、というお話です。

一般的に出荷数というのはメーカーが発表し、確実な数字がでます。なにしろ自分たちが売った数なのですから、間違いの無い数字を出すことができます。しかし、販売ということになると、ちょっと難しくなってきます。1店1店のお店がお客さんに販売した数を集計しなければなりません。そこには大手家電量販店もあれば、個人でやっているような小売店もあります。現実的にその全てのお店の販売本数を数えるというのはちょっと無理があります。ですから、実は正確に数字を把握するのは難しい話なのです。

では、販売数というのはどのように出されているのでしょうか? 販売数を出しているマーケティングリサーチの会社であったり、ゲーム雑誌の出版社というのは、「うちのお店からどのソフトがいくつ売れました」という報告をしてくれる協力店を持っていて、まずはそこから集計します。その次に、協力店が日本全体における市場においてどのくらいの割合を占めているかを想定し、全体の実売数を逆算していきます。

よって、集計機関によって、集計するお店と計算方法が違うため、いつも若干の数字のばらつきが出ることになるんですね。ほとんどの場合は、無視していい程度の違いしかありません。しかし、毎週出てくる各集計機関の数字を分析していくと、ここは「任天堂のソフトがいつも多めに出る」、だとか「コアゲーマー向けのソフトはここの集計機関だと少ない」なんていうのもなんとなく見えてきたりします。


似たような数字に思えても、実は全然違うことがあるって、分かっていただけましたでしょうかか?同じソフトの売り上げニュースでも各企業や集計機関によって異なるので、注意してみてください。言葉の意味を理解して、正しくニュースを読み解くと、意外なことが分かったりするかもしれませんよ。ぜひ、覚えておいてくださいね。

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