PCエンジンはカード型のメディアでゲームを供給したため、バッテリーの搭載が難しかった。また、CDドライブを別付けしてCD-ROMによりゲームを供給するシステムも登場し、別メディアにゲームデータのみをセーブするという手法が取られた。
やはり一般的なのはプレイステーションのメモリーカードだろう。
本体に取り付けたメモリカードにゲームのデータをセーブするという手法が台頭し、気軽にゲームデータを持ち運ぶということも可能になった。
ゲームソフトもバッテリーバックアップを搭載するというリスク無しにセーブさせることが可能になり、次第にゲームとセーブが切り離せない存在になっていくのである。
この流れはプレイステーション2や他のゲーム機でも同様であり、今やほとんどのゲームがセーブデータを活用している。
PS3では現在、本体内HDDにセーブデータが保存されている。
多くはコピー可能で、USBメモリなどに保存することも可能だ。
しかし中にはコピーの出来ないセーブデータも存在する。
『デモンズソウル』などがその代表で、筆者はPS3の故障により『デモンズソウル』のセーブデータが失われ、完全に「心が折れた」。
そういった悲しい例はあるものの、『デモンズソウル』や『風来のシレン』シリーズのように、安易にやり直せないという厳しいゲーム性が評価されているものもある。
PS3の場合、本体の故障に巻き込まれてセーブデータが消失されるケースもあるため、定期的なバックアップをおすすめしたい。残念ながら『デモンズソウル』のセーブデータはバックアップすら取れない。
また、Xbox360の「実績システム」やPS3の「トロフィーシステム」も、セーブデータに付随する大事なデータだ。
これはゲーム中の様々な「やり遂げたこと」をトロフィーとして獲得していくシステムで、取得困難なトロフィーの取得などはそれだけでかなりの達成感を得られる。
また他のゲームのセーブデータを利用する例まである。
名作『メタルギアソリッド』では、『ときめきメモリアル』のセーブデータがあると、あるボスキャラクターが「ときメモが好きなようだな」などと言ってきたりする。
オンラインRPGの多くはプレイヤーの手元にセーブデータがなく、サービスを運営するサーバー側でセーブデータを管理している。
ソーシャルゲームではセーブデータを中心としたコミュニケーションが可能となり、ゲームの新たな可能性を見出している。
セーブデータはプレイヤーそのものであり、プレイしてきたゲームの歴史でもある。「ふっかつのじゅもん」がデータとしてネットワークに乗り、その後どう進化するのか。それはゲームの進化にもつながるのかもしれない。
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