ゲームの時に紙とペンは必携でした。 |
現在では当たり前のシステムだが、オヤジゲーマーなら周知の通り、ファミコン初期にはこのようなシステムはなかった。
アクションゲームを遊べば毎回1ステージから始まった。「もうすぐ最終ボスが倒せる!」という局面で電源を切ってしまえばまた最初からやり直さなければならない。
当時はゲームが不親切だったのか、といえばそういう訳ではなく、当時ゲームというのはそういうものだった。
アクションゲームは器用でゲームの上手なプレイヤーでなければ最後まで楽しめなかったし、シューティングゲームでもパズルゲームでも同様だった。
しかし裏ワザの登場により、「ステージセレクト」で好きなステージが遊べたり、正当な手順を踏まずに強力なアイテムを入手したりできた。
当時ゲーム雑誌はこぞって裏ワザを掲載したが、ステージセレクトなどはセーブという技術がなかったから増えた裏ワザと言えるかも知れない。
器用でなくても時間さえかければ最後までプレイできる、ということもありロールプレイングゲーム(RPG)が流行した。
その代名詞と言える『ドラゴンクエスト』で、おなじみ「ふっかつのじゅもん」というシステムが登場した。
これは途中でゲームを中断するときには20文字のひらがなを書き留めておき、次にゲームを再開するとき入力すれば中断したところから再開できるというシステム。
決して『ドラゴンクエスト』で初登場したものではないが、同作がパスワードシステムを広めた功績は大きいのではないだろうか。
通常は意味の通らないひらがなの羅列になるが、「ほりいゆうじえにくすどらごくえすとだよ」などのように文章としての体をなすものもある。
筆者としては『たけしの挑戦状』の「すきすきすきすきすきすきすきすきすきやき」も強力に記憶に残っているパスワードである。
『ドラゴンクエストII』でも「ふっかつのじゅもん」は採用され、52文字ものひらがなを入力する必要があった。
続きを遊ぼうと思って入力を完了して「ふっかつのじゅもんがまちがっています」と表示された絶望感といえば、人生でも類を見ないほどのものだったと記憶している。
そんなユーザーの福音となったのがセーブ機能だ。