待たれる3Dパッケージ
昨年記録的な大ヒットとなった3D映画『アバター』は、とりあえず通常版として3Dではないパッケージが販売されている。だがコンテンツとしての目玉はやはり3D版だろう。これは3D対応テレビ、3D対応BDプレイヤーが出揃って実現する。
パナソニックの3D対応テレビはすでに店頭に並んでいるが、やはり6月にソニーの対応テレビが発売されて、PS3が3D対応にアップデートされてからが(選択の余地があるという意味でも)本命だろう。
こうなると急速に環境が整い、後足りないのはコンテンツのみとなる。
しかしこのコンテンツが一番重要で、観れる環境だけが整っても「あの3D映画が観られる!」という部分が弱くてはなんともならない。
近年劇場でも3D映画が花盛りだが、実はその中には「3D撮影されていない」というものも目立つ。
例えば『アリス・イン・ワンダーランド』。
この作品は3D撮影されていないものを加工して3D映画として仕上げているので、純然たる3D映画と呼ぶのは少々憚られる(劇場に足を運んだ方はちょっと物足りないと思われなかっただろうか?あくまで3Dとして、だが)。
3D撮影とは、撮影時に遠近感を得るために特殊な機材を使うことを言う。人の目が二つで遠近感を得ているのと同じように、撮影時も2箇所からの撮影が必要というわけだ。もちろんCG部分は撮影後に合成するのでその限りではないが。
劇場でもそんな状態なので、お茶の間で観られるコンテンツとして、映画が豊富なラインアップになるというのはちょっと先の話だろう。しかし家庭用ならではのコンテンツも期待できそうだ。
例えばスカパーで予定されているサッカーワールドカップの3D放送。3D撮影さえしてしまえばどんなコンテンツでも3Dで視聴出来るため、スポーツの3D放送は意外と増えるかも知れない。
そして重要なコンテンツが3Dゲームだ。
3DCGを使用したゲームは奥行きのデータも持っているため、3D対応にすること自体はそれほど難しいことではない。フルHDでの対応は負荷が高いかも知れないが、3D映像でそこまでの高精細さは不必要だろう。
ソニーストアで、3D対応テレビのデモンストレーションを視聴した人ならご存知だと思うが、3D映像のデモに使用されているプレイヤーはPS3である。
どうやら海外の開発用OSが入っているバージョンらしいが、それでもPS3で3D映像が観られるというのは非常に心強いし、楽しみだ。
さて、徐々に明るい日差しも見えてきたBD。冒頭でも紹介した話題作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は、どうやらかなりの売り上げを記録しそうだ。