分散する人気作
もちろんマルチプラットフォームは現在では必須の販売戦略だし、優れたゲームはたくさんのユーザーにプレイされたほうが良いに決まっている。しかし、日本国内のゲームメーカーがほとんどの作品をマルチプラットフォームで販売し、ものによってはXbox360やWiiの独占タイトルとして予定しているという現状はPS3にとっていい筈はない。
ざっと挙げただけで以下のような動きがある。
●バンダイナムコ
『ガンダム無双』PS3で独占→Xbox360で発売、PS2でも発売
『塊魂』PS3とXbox360で発表→Xbox360独占に切り替え
●カプコン
『モンスターハンター3』PS3で独占→Wii独占に切り替え
『デビルメイクライ4』PS3で独占→Xbox360、Windowsでも発売
●セガ
『バーチャファイター5』PS3で独占→Xbox360版を欧州のみで発表→国内でも販売
●スクウェアエニックス
『ラストレムナント』PS3とXbox360で発表→Xbox360での先行発売
『FFXIII』PS3で独占
そのほか、スクウェアエニックスでは『スターオーシャン4』をXbox360の独占発売で発表している。
ここに挙げた多くの作品はまさに開発費の高騰が心配されるケースに合致する、いわゆる「大作」である。
もちろんそういった大作の開発費をどう捻出するかというメーカー側の思惑も大いにあるだろうが、「据え置き機でお金をかけるより、DSやPSPなどの携帯ゲーム機に注力したほうが無理なく資金回収できる」という側面も無視できまい。
「グラフィックが綺麗」「遊び応えがある内容」…そんな据え置き機の復権も、まだ時間が必要かもしれない。
それにしても現在行っているこれが出たらPS3本体ごと買う！というゲームはありますか？というアンケートの「PS3の独占タイトルに欲しいのがあるよ」という選択肢がちょっと悲しい。
まぁ、とりあえずPS3を支持する側としては、他機種でも発売されるからと言ってPS3の魅力が下がるわけでもあるまい、ドンと構えるさ…くらいの余裕が必要なのだと思う。
さて、ソニー・コンピュータエンタテインメントのカンファレンスでの反撃はどのようなものになるのだろうか？
