■アトラスブース |
XboxとPS2でそれぞれ違う『真・女神転生』を開発しているアトラスブース。PS2版『真・女神転生3』のスペシャルトークショーが行われ、前述のようにコナミの小島監督も飛び入り参加するなど話題の尽きないブースでした。 『真・女神転生3』 実は『女神転生』というのは“デジタルデビルストーリー 女神転生”という小説からのメディアミックス作品で、小説、アニメ、ゲーム(それもMSXやPC-8801など)が発売されていたというのを知る人はひょっとしたら少ないかもしれません。何せ15年も前の話なので…。 そしてファミコンで『デジタルデビルストーリー 女神転生』が発売され、『真・女神転生』『真・女神転生 if』と回を重ねるごとに元がなんだったかよくわからなくなっていったのがこのシリーズです。ちなみに初代の発売元はナムコ。 とはいっても最初の作品から「敵を“仲魔”にしてともに戦う」「“仲魔”を合体させてより強い“仲魔”を作る」という基本が既に完成されていて、合体した仲魔が「こんごとも よろしく」と自己紹介するのもこの作品が最初。15年前に作られたシステムが完成されていたからこそ、回を重ねても色あせない魅力があるのではないでしょうか。 今回の見所はやはりグラフィックです。コナミの『ANUBIS』でも参加した、アトラスの誇る悪魔絵師“金子一馬”氏の描く悪魔がハードの性能が上がるごとに再現度を増していくのは必見です。また、このシリーズはゲームとしてかなり硬派な作品なので遊び応えを求める人にもオススメ。シリーズ作ながら作品ごとに「元のイメージを崩さずに」正統進化することのできる稀有な作品なのです。 |
■まとめ |
こうして展示タイトルを見ると続編のあまりの多さに驚きます。新規の作品よりもプロモーション的に労力が少ないといわれるのがその理由でしょうか。 これは東京ゲームショウ、ひいてはゲーム業界がある程度冷え込んでいる証拠と言えるかも知れません。東京ゲームショウが「ゲームの祭典」たる本質よりも、ビジネス的な側面が目立つショウだったように思われます。 しかし『ガチャろく』『人生ゲーム』『もじぴったん』『ガンバリコレクション プラス タイムクライシス』『新ブラボーミュージック』など豊富なパーティーゲームも展示され、ゲームが持つ「大勢でワイワイ遊ぶ」という魅力が再認識されているようにも感じました。 堅実な売上を期待できるビッグタイトルの続編。そして、家族みんなで楽しめるパーティーゲーム的な作品などが増えてきたのは市場が成熟してきているからだとも言えるでしょう。それは『マトリクス』『ロード・オブ・ザ・リング』『ハリー・ポッター』など大作の続編ばかりが公開される欧米の映画にも通じる状況だとも思えるのです。 そんな中、僕としては『半熟英雄対3D』などのようにアイディア先行型のゲームにも期待したいのですが…反面ビッグタイトルの続編が持つ特有の期待感も捨てがたいものがあります。 そう考えると今ゲーム業界自体が抱える不調、それはユーザー全体が生み出したもののような気もしてくるのです。 |