『ロード・オブ・ザ・リング』がRPGの元祖!?
今年3月に公開され、アカデミー賞最多13部門にノミネート、4部門を受賞した超話題作『ロード・オブ・ザ・リング』。この映画は現在のRPG、ファンタジーの礎となった、J.R.R.トールキン氏の『指輪物語』を原作としています。 『指輪物語』は20世紀最高の文学作品とも言われ、トールキン氏の没後も熱狂的なファンを数多く生み出しました。そして、『指輪物語』は後世のファンタジー観に多大な影響を与え、多くのゲームの元になったと言われています。 今回は、『指輪物語』の魅力を紹介しつつ、なぜゲーム、特にロールプレイングゲーム(以後RPG)の元になったと言われるのかを追ってみたいと思います。 |
■すべてのRPGは『指輪物語』を祖としている | ||||
『指輪物語』は北欧神話をベースに、J.R.R.トールキン氏独自の解釈で築き上げられた世界です。人間、エルフ、ドワーフ、ホビットなど様々な種族が共存する“中つ国”で、偶然強大な魔力を持つ“指輪”を手に入れたホビット族のフロドが、様々な仲間とその指輪を唯一消滅させることのできる“滅びの山”へと向かう一大叙事詩です。
なぜRPGの元祖が『指輪物語』なのか。それは、現在から過去へとRPGの辿ってきた軌跡を遡ると明らかになってきます。 例えば日本で大ヒットした『ドラゴンクエスト』シリーズを考えてみましょう。この作品は日本でRPGというゲームジャンルを広めた偉大な功績を持つ作品ですが、もともとは海外のRPGを取り入れたハイブリッド的な作品でした。 僕は、『ドラゴンクエスト』は『ウィザードリィ』と『ウルティマ』の良い部分を抽出し、遊びやすくしたRPGだと解釈しています。ふたつともRPGの元祖として有名ですし、現在もシリーズ作が創出されている長寿タイトルでもあります。 恐らく『ドラゴンクエスト』の「上から見たゲーム画面」は、『ウルティマ』の「斜め上からみたゲーム画面」を参考にしたのではないでしょうか。そして戦闘画面は「敵を正面から見た画面」の『ウィザードリィ』を参考にして、ユーザーが直感的に遊びやすいシステムを構築したのではないかと思います。 コンピューターRPGの元祖として名高い『ウルティマ』と『ウィザードリィ』ですが、この2作は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』というテーブルトークRPG(以下TRPG)を参考に作られたといわれています。
そしてこれらのTRPGが、『指輪物語』をもとにしているのです。 |