最大のポイントは“ヨルダ”
彼女は放っておくと一人でうろうろしています。なので手を引いて先導したり、遠くから呼んであげないといけません。あんまり一人で放置しておくと、どこからともなく黒い霧が現れてすぐにヨルダを連れ去ってしまいます。
敵は地面の中にヨルダを引きずり込もうとします。ヨルダの姿が完全に見えなくなってしまうと、ゲームオーバーです。
イコはヨルダの手を引き、城の出口に向かいます。が、所々イコでないと通れない溝であるとかロープであるとか壁の突起物とかがあるので、イコが先回りをしつつヨルダが無事通れるように橋を渡してあげるとか、溝の向こうで手を差し伸べたりするわけです。
ヨルダが一人で飛び越えれないような溝とかをですね、イコが飛んで先回りして手を差し伸べるんです。するとヨルダは少しためらうようにウロウロして、エイっとばかりに飛ぶんです! ギリギリでヨルダの手を掴んで引き上げたりするのが! もう! 「僕の胸に飛び込んでおいで!」って感じで!
ゲームとしては二人で助け合いながらいろいろな仕掛けを解き明かして進んでいくという感じなんですが、徹底して世界観の持つ雰囲気を重視しているのがわかります。
“ゲーム”を意識させず、世界観を崩さない工夫
イコは日本語ではない異国語を喋り、その内容は字幕じゃないとわかりません。ヨルダの言葉はイコにもわからない設定なので、ヨルダが喋っても字幕はなし。徹底しています。
それにゲーム中に「アイテムを選択する画面」などはありません。すべて画面に出てくるもので解決するので、他のアドベンチャーゲームにありがちな「アイテムを持ちすぎて何がなんだかわからない」といったことは皆無です。
そして特筆すべきなのはセーブの方法が「二人でソファに座る」ということ。ロードすると二人がソファでうたた寝していて、目を覚ますところから始まります。『ICO』にとってはゲーム内が現実で、ゲームを終わってからは夢なんだ…というような意味でしょうか。こんな素敵な心遣いも『ICO』ならでは。
ゲームをはじめてクリアするまでの時間、どっぷりと『ICO』の世界に浸れる。『ICO』はそんなゲームです。
では次のページで『ICO』の楽しみ方を大紹介しちゃいましょう!