FF7~FF9
シリーズはFF7でプラットフォームをPSに切り替え、当時としては珍しく戦闘シーンにポリゴンを使用してアクションゲームのような臨場感でプレイできるようになりました。シナリオもRPGには珍しいSFタッチのものでしたが、ユーザーはこの革新的RPGを熱狂的に受け入れ、ついにはドラゴンクエストとならぶ超人気RPGとして広く世間に知られるようになったのです。過去最高のヒット作となるFF8では“モンスターから魔法を奪い取る(=ドローする)”という国内RPGでも例を見ないユニークなシステムを取り入れて新たなるユーザーの獲得に成功しました。
しかし、同時にあまりに実験的なシステムはファンの間で猛烈な議論を巻き起こしたのも事実です。多くのユーザーがFF8はシリーズの中でも問題作であることを認めています。
賛否両論あれ、制作者の“今までの枠にとらわれたくない”という気持ちは評価されるべきだと思います。ファンの中には“FF8が一番好き”と言うものも少なからずいるという事実も見過ごせません。
そして前作FF9が登場します。
FF9は“原点回帰”とも言えるファンタジーの王道の作品として登場しました。ファミコン版で活躍した“くろまどうし”がその姿のまま黒魔道士として登場したり、飛空挺が空を飛び交っていたりと、昔のユーザーがドット絵のキャラクターを通じて頭の中で思い描いていた世界がその想像を越えた映像で蘇ったのでした。
ゲームシステムや映像の美しさ、シナリオのスケール、ミニゲームなどの充実など全ての点でシリーズ最高峰だといえたでしょう。もちろんFF10が登場するまでの間、ですが。
僕はファミコン版FF1への思い入れが強かったため、FF9は個人的に強く思い出に残る名作として心に残っています。が、何故かFF9は前作の販売個数を越えることは出来ませんでした。
この要因としておそらく“攻略本が出なかった”ことが挙げられると思います。「攻略本なしで自力でゲームを攻略する楽しさを」という制作者サイドの思惑が、攻略本を頼りにゲームを遊ぶ現代のプレイスタイルに符合しなかったのかもしれません。ちなみにFF10ではちゃんと攻略本が出ますよ!
FFシリーズはここで集大成としてのFF9を発表し、また次のステージとしてPS2のFF10に進んだのかもしれません。
3作ごとに
さて、ここで面白い事実がでてきました。このようにハードの進化にあわせてスケールアップしてきたこのシリーズですが、初代から数えてみると…ファミコン1~3、スーパーファミコン4~6、PS7~9。そして10作目のハードは…?そう。PS2です。
面白い偶然ですが、FFシリーズは3作品ごとにプラットフォームを変えているんですね。常に新しい事に挑戦しつづけるFFの制作チームの意気込みが感じられるように思います。
しかし、僅かながら初代FF1からの伝統を受け継いでいることがあります。それは“飛空挺”と“シド”の存在。
飛空挺はFF1に登場し、歩くより数倍速いスピードとどんなところでも飛んでいける利便性でユーザーを喜ばせ、シリーズ最大の特徴となった乗り物です。これはFF1からFF9までずっと物語の重要な要素として登場しています。
そして“シド”。彼は各シリーズでは何の関係も無い存在ですが、ほとんどの場合飛空挺に何らかの関係のある存在として登場します。時には制作者であり、船長であったり、また時には学園長だったり国王だったり、姿と年は違っても必ず登場するのです。
それはまるでシリーズごとでは何の関連性もないFFのなかで、唯一ユーザーとシリーズを繋ぎ止める存在であるかのようにも思えます。
さて、最新作FF10では飛空挺は登場するようですが、シドの存在はどうなんでしょう…?それは是非、あなた自身が確かめてみてください。
次のページではファイナルファンタジーシリーズの特徴を紹介しながら、最新作FF10の魅力を探っていきましょう。