これが「三河屋」さんの「ミックス」
店内に入ると満席。若い女性店員がこちらへどうぞと言ったカウンターにひとつだけ空いている席があった。ラッキー。で、店内にあるメニューを見る。右からコロッケ、メンチ、ミックス(コロッケ、メンチ)と並んでいた。ここで思わず「メンチ」を注文。これが「ミックス」950円。 |
注文しておいて、そのあとのメニューを目で追うと、ハムかつ、チキンかつ。ここまでがいずれも950円。そして、とんかつ、海老フライ(コロッケ付き)とあり、これが1050円。最後が、みそかつ1250円となっている。
店内は、厨房の奥でおばちゃんが揚げ物をし、そのほかに女性の店員、おじさんなど。おばちゃんは暑い、暑いと言いながらフライを揚げている。なんでも、おばちゃんの後ろには炊飯器があって、その熱気もすごいのだそうだ。だから汗をかくと笑いながら言う。おじさんがこれに対して「それにしては痩せないねぇ」などと言い、なんだか楽しい雰囲気。隣の客におばちゃんが「ご飯どう?」とおかわりを促している。テーブルの上にあるふりかけをかけてどんどん食べろというようなことを言っている。そんな光景を見ているうちに「ミックス」が目の前にやってきた。
なかなかのボリューム
こ、こんなに。しかも、ハムかつまで乗っている。どうやらこれはサービスのようだ。先に入った若い女性は海老フライを頼んだのだが、そこにもサービスとしてメンチかつが乗せられ、皿の上はものすごいことになっている。全部食べられるかどうか心配になってきた。
写真で見るとそうでもないが、実物はかなりの威圧感があった。 |
まずは、ハムかつをいただく。う、うまい! どこか懐かしい、郷愁の味。最近はハムかつなんてなかなか食べることがなくなった。次はコロッケをいただく。丸っこい形。ちょっと囓ると熱い。揚げたてだからなぁ。ジャガイモがほくほくしている。これはうまいなぁ。驚いたのは、ご飯や味噌汁、高菜の漬け物がすごくおいしい。おかずなしでもいくらでも食べられそう。
そして、これがメンチかつ
最初から半分に切ってある俵形のメンチかつ。ジューシーな味わい。衣がまたおいしい。食べられるかなと思ったがパクパク食べられる。このメンチかつ。かなりの大きさだ。 |
このメンチかつは大きい。最初見たときは、このメンチだけでいいよってくらいなかんじだった。何もつけずにひと囓り。うまい。そして、ソースをかけてどんどん食べる。
と、店内に行列ができはじめた。おばちゃんが外の人に注文を聞いている。外でも行列ができはじめたようだ。自らのタイミングがよかったことに気づいた。そして、完食。立ち上がって、お勘定をする。
「急がせちゃってすみませんね」とおばちゃん。そういう言葉がなんだかうれしい。
店を出るとすでに3人が炎天下の中、行列を作っていた。
行列ができるお店というのは、他にないから行列ができるというのが僕の持論だが、なるほど今はこういう店はもうないんだなと思った。
2、30年前、町の定食屋というとだいたいこんなかんじだった。あれだけあった定食屋はもうなくなってしまったのか。そう思うとなんだか淋しい気持ちになってきた。
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