懐かしくて泣けてきそうな銭湯
昔ながらの脱衣ロッカー。まさに銭湯! |
暖簾を分けて中に入る。
いきなり目に入ったのが、手ぶらでも湯に入れると書かれたもの。
実際、どこの銭湯でもタオルや石けんを買えば入れるわけだが、
ここのセット料金はなんと100円。これでタオルやボディシャンプー、シャンプーがついてくるそうだ。
なんともありがたい。
というわけで、さっそく中へ。
番台で430円を払う。これが今の入浴料金である。
平日、6時前という時間だが、お年寄りが数名入っているだけであった。
ちょっと拍子抜け。昔の4時くらいのかんじかなぁ。
この時間帯だと昔はわぁわぁ子供たちが騒いでいたように思うのだが、最近はそういう光景もないようだ。
壁にかかった成分表がなんともいい
昭和六年の文字が見える成分表 |
壁には、古めかしいお湯の成分表が貼られている。よく見れば、その日付が
昭和六年十月十五日
となっている。しかも、そこには東京市衛生試験所とあった。
東京がまだ市であったころのものだ。
脱衣所で服を脱ぎ、さっそく湯船へ。
お湯は真っ黒い。
東京の地下水はたいていどこも冷泉なのだそうだ。
都内の銭湯でも水道水ではなく、地下水をくみ上げているところはこういった黒いお湯になる。そういえば、脱衣所には効能書きを書いた古い看板が掲げてあった。
お湯は少し熱めだが、いい湯加減である。
外に出ると日はとっぷり暮れている
銭湯を出ると日は暮れていた。 |
1時間くらい経過してしまっただろうか。外に出たのは、6時ころである。
きょうはここから再び西日暮里まで戻る予定である。
不忍通りにあるラーメン屋さんに行く予定だ。
再び、言問通りまで戻る。それにしても、このあたりの通りの名前は実にいいかんじのものが多い。
この言問通りは、在原業平の歌からきている。
名にし負わばいざ言問わん都鳥吾が思う人はありやなしや
というものである。さらに不忍通りは、もともと不忍池からきたものだが、こちらの由来は諸説あるが、本郷台地と上野台地の間を忍ヶ丘(しのぶがおか)と呼んでいたことによるものらしい。
というわけで、すっかり日が暮れた道を歩いて、西日暮里にある「つけめん★TETSU」さんに行く予定。夜は「はじめ」というお店になるそうだ。