散歩/和む散歩ルート

麻布十番~増上寺 東京タワーを見る散歩(2ページ目)

麻布十番駅でナポリタンなどの昼食をとり、東京タワーを目指して歩く。少しずつ見えてくるタワーは徒歩ならでは。増上寺に寄って、わらび餅をいただいた。秋の日を実感できるオススメ散歩です。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

麻布十番の駅構内を歩いて地上に出る

ちょうど首都高が走っている下が昔の古川と重なる
麻布はもともとは「阿佐布」もしくは「安座部」と呼ばれていた集落であったそうだ。それが江戸時代に麻布となる。時代が東京になり、15区の行政区分がされた。そのひとつが麻布区である。麻布狸穴町とか麻布永坂町いうように麻布を冠した町名があるのも麻布というのが広域をさす地名であったことがわかるだろう。麻布十番もそのひとつである。

ならば、なぜ十番なのか。古川という川の改修工事の10番目の工区であったためにこの名前がつけられたそうだ。麻布には一の橋という地名がある。ここを流れていたのは古川という川で、ちょうどこの一の橋あたりで川が大きく曲がっていた。改修工事の結果、このあたりは舟からの荷物が集積する場所になり、この地が賑わうこととなったようである。

地下鉄の麻布十番駅は広い。しかもその通路は、まるで近未来の都市に続くタイムトンネルのようだ。ここから散歩が始まっているような気がする。一の橋ではなく、新一の橋方面出口(6番出口)から地上に出る。当たり前だが今、古川はない。暗渠になっているのだ。ちょうど首都高が走っているが、それが昔の古川と重なる。ちょうどこのあたりに舟が着き、荷物の積み下ろしをする人たちでごった返していたのだろうか。

そんなことを考えている時に放送作家の遠藤氏が現れた。待つこと10分。Nくんが現れる。

「ここの地下鉄はデザイン的におもしろいねぇ。駅から散歩が始まるようだ」

と言うと、

「会社からタクシーできたんですよ……」

とのこと。仕事が忙しそうだ。
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