麻布十番の駅構内を歩いて地上に出る
ちょうど首都高が走っている下が昔の古川と重なる |
ならば、なぜ十番なのか。古川という川の改修工事の10番目の工区であったためにこの名前がつけられたそうだ。麻布には一の橋という地名がある。ここを流れていたのは古川という川で、ちょうどこの一の橋あたりで川が大きく曲がっていた。改修工事の結果、このあたりは舟からの荷物が集積する場所になり、この地が賑わうこととなったようである。
地下鉄の麻布十番駅は広い。しかもその通路は、まるで近未来の都市に続くタイムトンネルのようだ。ここから散歩が始まっているような気がする。一の橋ではなく、新一の橋方面出口(6番出口)から地上に出る。当たり前だが今、古川はない。暗渠になっているのだ。ちょうど首都高が走っているが、それが昔の古川と重なる。ちょうどこのあたりに舟が着き、荷物の積み下ろしをする人たちでごった返していたのだろうか。
そんなことを考えている時に放送作家の遠藤氏が現れた。待つこと10分。Nくんが現れる。
「ここの地下鉄はデザイン的におもしろいねぇ。駅から散歩が始まるようだ」
と言うと、
「会社からタクシーできたんですよ……」
とのこと。仕事が忙しそうだ。