散歩/和む散歩ルート

都電荒川線に乗ってみる(4ページ目)

都内に唯一残る路線電車、都電荒川線に乗り継ぎながらの散歩。早稲田から荒川遊園地、三ノ輪橋まで。人とすれ違い、話して、散歩は続く。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

スポーツ店でウォーキングシューズを買う

散歩がてらウォーキングシューズをサンコースポーツで購入。味のあるスポーツ店だ
そろそろウォーキングシューズを買い換えないといけないなぁと思っていた。エアクッションの部分が壊れて空気がスカスカ漏れている状態なのだ。だいたい僕の場合は1年くらいでこうなる。いつも買っているのはリーボックのウォーキングシューズだ。長い距離を歩こうと思ったら、とにかく靴だけはいいものを買ったほうがいい。

そこで、この商店街でシューズを買おうと思ったが、なかなか本格的なウォーキングシューズを置いていそうな店はなかった。しかし、商店街も終わりに近づいたところで、発見したのがスポーツ用品店である。名前は「サンコースポーツ」。店内は狭く、中年の女性が応対してくれた。

「あの、ウォーキングシューズが欲しいんですけど」

そう言うと、女性は無言で店内に置いてある子供用の自転車をどけて、そこから箱を出してくれた。履きやすいシューズだ。1万いくらかだというのをまけて、8500円だと言う。財布の中には4500円しかない。Nくんに4000円を借りて、購入する。

気さくなおやじさんで昔話に花が咲く。「この向こうのせがれは…」「俺が早稲田の学生だったときには…」
そこへ、おやじさんが帰ってきた。元気のいい人で、さっきのご婦人のご亭主だろう。この場所に店を出したのは昭和40年なのだそうだ。ちょうど40年目。

そんなことよりもご亭主は、Nくんが持っていたカメラに興味を持っている。しばし、カメラ談義。

「この近所にも今売り出し中のほら、だれだっけ」と言う。何人か名前をあげる。

「いやいや、裸の写真を撮る人で、奥さんが亡くなった…」
「ああ、荒木経惟さん。アラーキーですか」
「そうそう、この先の下駄屋のせがれなんですよ」

あ、そうだ。アラーキーは下町の下駄屋が実家だというのをどこかで読んだことがある。

「この先なんですね。いまもあるんですか?」と聞いたら、いま下駄屋はないそうだ。

「すぐこのむこうが、吉原の大門でねぇ」

ほう。なるほど。落語などに出てくる、吉原というのはこの近所だったのか。今度は、吉原を訪ねる散歩でもしてみようかと思った。まだ歩いたことのない人はぜひ足を運んで欲しい商店街である。


【参考までに 今回の散歩ルート】
早稲田を出発し、鬼子母神で降りる。鬼子母神から徒歩で東池袋まで。東池袋から再び荒川線に。荒川車庫、三ノ輪まで。


<関連リンク>
東京都交通局>都電荒川線
鬼子母神へようこそ
ジョイフル三ノ輪
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