散歩/和む散歩ルート

都電荒川線に乗ってみる(2ページ目)

都内に唯一残る路線電車、都電荒川線に乗り継ぎながらの散歩。早稲田から荒川遊園地、三ノ輪橋まで。人とすれ違い、話して、散歩は続く。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

鬼子母神前から東池袋四丁目まで歩く

鬼子母神けやき並木通り。樹齢相当数のけやきが両側に鎮座する
都電荒川線は、東京の名所を巡る電車でもある。鬼子母神は、安産、子育(こやす)の神様。停留所を出て左側を見ると、古い樹が1本。その先には古い並木道がある。それが「鬼子母神けやき並木通り」。

1分も歩けば鬼子母神の境内だ。ここには、樹齢600年という大銀杏の樹がある。いい風が吹いている。天気もいいし、気持ちいいね。古い駄菓子屋さんがあるのだけれど、ここは江戸時代から営業している、東京で最古の駄菓子屋なのだそうだ。

鬼子母神を抜けると、住宅街。女子大生が多く歩いている。思わず二人の顔がほころぶ。東京音大の学生らしい。門の前には怖そうな警備員がいて、思わずニヤけた顔が引きしまる。

旧日出小学校。今は豊島区医師会が入る。コンクリートグランドが往時の面影を残す。背後にサンシャインがそびえる
一瞬道を見失うが、Nくんが「サンシャインを目印に歩けばいいんですよ」と言う。なるほど。大きなビルが左前方に見える。細い坂道をのぼったところに以前は小学校で、今は別の建物として使われている敷地の前。自転車でヤクルトを売っているおばちゃんがいたので、呼び止める。おばちゃんといっても僕よりは若いだろう女性。野菜ジュースを買い求める。Nくんが、「買えるんですね」と驚いている。散歩のときは便利。

大きな通りに出て、左に歩く。そうすると間もなく東池袋四丁目停留所。ここは営団地下鉄有楽町線「東池袋駅」もある。再びここで荒川線に乗る。


荒川車庫前から荒川遊園地前

荒川車庫。都電がゆっくりと羽を休める
住宅街の間を進む荒川線。もう目の前に物干し台があったりする。大きなビルの立ち並ぶ場所は、「大塚駅前」さらに「王子駅前」などの駅を通過。僕たちは、「荒川車庫前」で下車した。これまでのところが坂の多い地域だったが、ここから先はまったいらの土地だ。

線路沿いに少し歩くと、左側に荒川車庫があり、たくさんの電車がいる。とりあえず、荒川遊園地まで歩くことにする。このしばらく歩くと、すぐに左側に遊園地が見えてくる。ここのちょっとした商店街はぜひのぞいてみたい。

(上)ふく扇。せんべいでたこ焼きをはさんで食べる。100円とは思えないうまさ! (下)ボレボレ。ひれかつの柔らかさにこころ震える
線路と並行する道を左に曲がり、遊園地へ行く商店街から左側に入ると「ふく扇」というたこ焼き屋をのぞいてみたい。ここは、名物の「たこせん」というのがある。たこ焼きをエビせんべいに挟んだものだ。たこ焼きは歩きながら食べるのは難しいけれど、これだと手に持ったまま歩ける。

というわけで、昼食は「ボレボレ」という洋食屋さんのランチ。僕は一口ひれかつとチキンソテーの定食。うまい。大当たりだ。お腹もいっぱいになって、踏み切りを超えて、Tシャツに「ソフトクリーム」と書かれたお店へ。「デザートですね」とNくん。僕も一口もらう。

さて、また都電荒川線へ。が、ここで我々は重大なミスに気づいた……。
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