海で何かに刺されたらクラゲじゃなくてチンクイかも
お盆休みが近づいてくると厄介なのがクラゲの出没!ビリリっときて急いで上がると太股にミミズ腫れ、なんていう事もしばしば。ところが!クラゲの季節にはまだ早いのにここのとこ海の中で「あたたたたたたたたた」っと何かに刺されたことはありませんか?
あわててキンカンを塗っても、なかなかかゆみがとれないしそうこうしているうちに赤いプツプツが。クラゲの触手も見あたらないし、一体コレはナニっ!?っとあせっているアナタ。どうやらチンクイに刺されてしまったようですね。このユーモラスなネーミング、誰が考え出したのかわかりませんが、まさに!(苦笑)
今回は、男性に限らず女性も刺されるチンクイについてお届けします。ちょっと専門的なコトバも出てきますが読めばなるほど~のチンクイ講座ですヨ!
海の中を漂うチンクイの正体
ではまず「チンクイ」の正体を解き明かします!「チンクイ」という微笑ましい名前は俗称でその正体は甲殻類(=エビ・カニ)の幼生です。甲殻類は卵からかえるといわゆるプランクトンとして海の中を漂いながら変態を繰り返し、生活する場所を変えていきます(もしくは生息場所に合わせて形を変えていく、とも言えます)。そして脱皮をしながら大人のエビ、カニへと成長していくのです。■カニの場合
1.プレゾエア
2.ゾエア
ふ化から20~30分後まだ海面に達しないうちに最初の脱皮を行いゾエアになります。脚や長いトゲで体を安定させて約1ヶ月間海面近くで生活し再び脱皮します。その後次第に水深深くに移動しふたたび海底付近に来ると変態します。
3.メガロパ
この「ゾエア」と呼ばれる段階の幼生がいわゆる「チンクイ」です。見るからにさわったら痛そうな棘と足!たまりませんね。大きさはこの時点でも3mmくらいで肉眼ではほとんど見えません。クラゲのように目で確認できないのが、まさに痛いトコロです。
海水浴やサーフィンでのチンクイ体験
刺されたことのある人なら、あの独特のかゆみ&痛みは忘れられないと思うのですが……。ここで「まだ刺されたことないからよくわからん」といううらやましい方の為にチンクイアタック報告をまとめてみました!噂の真相は?ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
- 7月後半の満月の大潮の時によく現れる(サーファーBさん)
- 由比ヶ浜・七里ヶ浜はなんか多い気がする(鎌倉ローカルCさん)
- 砂浜で座って子供と遊んでる時に……お尻を……(ママサーファーRさん)
- お盆前、クラゲの出現よりも前によくヤられる(ボーダーAくん)
- っていうかバリ島にはとにかく多いよ!(ボーダーMちゃん)
- 海水浴の時ブイにつかまって遊んでたら刺されちゃった(ボーダーKさん)
- 瀬戸内海の小島が実家なんだけど……。実家に帰って海に入ると必ず刺されてキンカンのお世話になります(Oさん)
チンクイが海に出没する時期や場所
っと、いろんな報告がありますネ。大潮とチンクイの発生率についてはかなり関係があるようです。ごくごく小さなプランクトンのため、大潮の上げ潮や台風のうねりなどで波打ち際や海面近くにたくさん溜まるとみられています。またお盆前という時期も成長時期と重なるので当たっているようですね。海水温が高くなってきた頃というのが最も刺される可能性が高い時期といえます。バリ島に多い、というのも海水温と関係があるのでしょう。
瀬戸内海や鎌倉方面で、っというのもウワサだけではないようです。瀬戸内海は内海のため、海水の循環がとてもゆっくりです。また鎌倉も、地形上湾がかなり中へひっこんだ形をしているためチンクイが溜まりやすいのでしょう。
さらに、どちらもいったん水温が上がるとなかなか下がらないエリアなので、大量発生する条件が整った場所といえます。またチンクイにはちいさな足があるので波打ち際の砂の中や沖に浮かぶブイにからみついていることが多いようです。
刺される場所もチンクイの足がからみやすいところが中心です。例えばリーシュのベルクロの裏やウエットの袖まわり首まわりなどですね。さらに、男性の場合はトランクスで入った時のスネ毛にからむ!そうです。かっ、痒そうですね。
他にもいる痛くて危険な生き物
海の中の刺す生き物はチンクイだけではありません。お盆を過ぎる頃からはクラゲも出没します。かなり痛くて危険なものの代表はコチラです。見かけたらとにかく離れましょう!■アカエイ
■カツオノエボシ
電気クラゲ、とよばれるほど痛み&毒性が強いです。長い長い触手が特徴で10mもあるものもいます。灼けるような痛みが特徴で、あとは赤いミミズ腫れや水ぶくれになります。触手が残っていることがあるので絶対こすらないで触手が見えれば直接さわらずピンセットなどですぐとりのぞき病院に行きましょう。まれに呼吸困難を引き起こす方もいるので海の中に「ポリ袋のような青いもの」が見えたらすぐに上がりましょう!
■アンドンクラゲ
■アカクラゲ
かさの部分に茶色いスジが放射状についているのが目印です。上から見るとタマネギのようなので私は「タマネギ」と呼んでいますが。触手にふれるとビリっとしびれ、かなり痛いです。その後赤いミミズ腫れになり猛烈に痒くなります。触手は長く5~60cmにもなります。打ち上げられて乾いたものの粉を吸うだけでクシャミが止まらないらしい……怖っ!
いやぁ、ほんとにどれもこれも痛そうなものばっかりですね。でも怖がってばかりではエンジョイできません。夏場でも長袖のウエットを着たり、先に海に入っていた人の会話をこっそり聞いちゃったり、予防策もあります。なんといっても♪僕らはみんな生きている!海の中のちょっぴりコワイ生き物とも、仲良く共生したいものですね。
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