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スノーボードの形状とは?種類や特性・初心者向け選び方のコツ

一見すべて同じように見えるボードですが、その形にはツインチップ、ディレクショナルシェイプ、ディレクショナルツインという3つのタイプがあります。今回はそれぞれの特性と選び方について説明します。

執筆者:日色 裕二

ボードは大きく分けてツインチップ、ディレクショナルシェイプ、ディレクショナルツインの3種類

一見同じように見えるスノーボードですが、実は3種類の「形」があります

一見同じように見えるスノーボードですが、実は3種類の「形」があります

ショップに行くとたくさんのスノーボードが並んでいますが、皆さんはボードの形には大きく分けて3つのタイプがあること知っていますか?

一見すべて同じように見えるボードですが、その形にはフリースタイルボードに多く見られる「ツインチップ」、オールラウンドボードとも呼ばれる「ディレクショナルシェイプ」、そしてその二つを合わせた「ディレクショナルツイン」の3種類の形があります。

今回はそれぞれがどんな形をしていて、どんな特性を持っているのかについて説明しますので、是非ボード選びの参考にして下さい。

それではまずは、ボードの形の違いから把握していきましょう。

 

スノーボードの3つの形状

ボードの形状の違いを知るポイントは、「ボードに乗る位置」と「ノーズとテールの形」の2つです。簡単に言ってしまうと、ボードの「ど真ん中」に乗るのか、「テール寄り」に乗るのか、またノーズとテールの形が「同じ」なのか、「違う」のかです。実際にボードを見るとわかりやすいのでショップに行った時はそれぞれを見比べてみましょう。
ちょっとわかりづらいですが、真ん中に乗りノーズとテールが同じ形をしています

ちょっとわかりづらいですが、真ん中に乗りノーズとテールが同じ形をしています

  • ツインチップ
バインディングを取り付けるバインディングホールが、ボードのセンターに設定されていて、ボードの「ど真ん中(セットバック<=ボードの中心ではなく、少しテールよりに乗るようにセットすること>0cm)」に乗れるボード。テールとノーズはまったく「同じ形」をしている。
スタンスがボードのテールに寄りノーズが長くテールと形が違います

スタンスがボードのテールに寄りノーズが長くテールと形が違います

  • ディレクショナルシェイプ
バインディングを取り付けるバインディングホールが、ボードのセンターではなく、始めから「テール寄り」に設定されているボード。テール側にズレている幅をセットバック○○cmと表す。またその結果、ノーズがテールよりも長くなり、その形も「異なる」。
  • ディレクショナルツイン
その名前の通り、ツインチップとディレクショナルシェイプを合わせたボード。バインディングホールはボードのセンターではなくややテールよりに設定されているが、ノーズとテールの形は「ほぼ同じ形」をしている(ディレクショナルに比べるとセットバックの幅は小さい)。

 

テール寄りにセットバックをする理由

ディレクショナルのノーズはツインに比べると細長い形をしている

ディレクショナルのノーズはツインに比べると細長い形をしている

それぞれの形の違いを理解したら、次は「ディレクショナルではなぜテール寄りにセットバックをする必要があるのか」を説明していきましょう。

セットバックをする理由は、ズバリ、「雪が柔らかいから」です。

流動する水の上を滑るサーフィンやウェイクボードを思い浮かべるとわかりやすいのですが、ライディングをする時はどちらもテール側に立ち、ノーズを上げながら進みますよね。その理由は簡単でノーズが下がるとつまずくように転んでしまうからです。柔らかな雪の上を滑るスノーボードもそれとまったく同じで、ボードのど真ん中に乗りテールとノーズが均等に沈んでしまうよりも、若干でもボードのテール側に乗り、はじめからノーズが少し上がっている状態の方が断然滑りやすいのです。
バインディングホールにスタンス幅と一緒にセットバックの幅が記されているモノもあります

バインディングホールにスタンス幅と一緒にセットバックの幅が記されているモノもあります

大自然の雪山で楽しむスノーボードでは、その日の天候によって滑るバーンの雪の状態は変化します。常に良い天気で踏み固められた圧雪バーンを滑れるのであれば、セットバックは必要ないのですが、そんなことは有り得るわけもなく、たまたま滑りに行った日が大雪で、ゲレンデのどこを滑ってもフカフカのパウダーということは良くある話しです。なので、そういった雪の状態を選ばないという意味で、ディレクショナルシェイプは「オールラウンドなボード」と言えるのです。

スノーボードの技術や知識が少ないビギナーは、まずはディレクショナルボードから始めるのが良いでしょう。というより各メーカーのビギナーモデルはすべてと言っていいほど、ディレクショナルになっています。

また上記の理由から新雪の積もった柔らかなパウダーを滑ったり、フリーライディングが好きな人もディレクショナルボードを選びます。雪が深ければ深いほど、セットバックが入っていると滑るのが楽になりますからね。

 

ツインチップの利点

ガイド愛用のVOLKLスカッドプライムはツインチップです。やはりスイッチスタンスを重視してます

ガイド愛用のVOLKLスカッドプライムはツインチップです。やはりスイッチスタンスを重視してます

では次はツインチップの特徴を見て行きましょう。セットバックの説明から感の良い人なら、ツインチップがパウダーランには向いていないのがわかると思います。では、ボードのど真ん中に乗るツインチップの良さはどこにあるのでしょうか?

ツインチップの最大の利点は、やはり「スイッチスタンスの滑り易さ」にあります。

ノーズとテールが同じ形をしたボードの「ど真ん中」に乗るので、スイッチスタンスになった時もメインスタンスと同じような状態で滑ることができるのです。なので、ツインチップはメインスタンスもスイッチスタンスも関係なくライディングを楽しみたい人、つまりグランドトリックをしたり、スノーボードパークで遊んだりするフリースタイラー好みのボードと言えます。整備、圧雪されたスノーボードパークをメインで滑るのなら実際セットバックは必要ないし、「フリースタイルボード」と言われるのはこのためですね。

ただ、パウダーを滑るのは確実に難しくなることは覚えておきましょう。パウダーでも積極的にスイッチライディングをする、という滑走力の高い人は良いのですが、そうでない場合、単純にメインスタンスでもパウダーを滑るのが少し大変になります。1本のボードでパウダーからパークまで遊びたいと言う人は、やはり少しセットバックが入ったディレクショナルか、これから紹介するディレクショナルツインを選ぶことをオススメします。

 

ディレクショナルツインならパウダーも滑りやすい

REDSのポップには「ボードタイプ」として形状が示してあるのでわかりやすいです

REDSのポップには「ボードタイプ」として形状が示してあるのでわかりやすいです

ツインチップとディレクショナルシェイプを合わせた「ディレクショナルツイン」は、スイッチスタンスでの滑り易さと、フリーライディングの滑り易さを半分ずつ併せ持つ、良いとこ取りなボードです。ディレクショナルがフリーライディングをメインに楽しむ人のオールラウンドボードとするなら、ディレクショナルツインはフリースタイルをメインに楽しむ人のためのオールラウンドボードと言えるでしょう。

なので例えば、今はディレクショナルボードに乗っていて、「メインスタンスはかなり滑れるようになった」「少しずつスイッチにも慣れてきた」という人で、「これからはグランドトリックやワンメイクにもチャレンジしたい!」という人は、いきなりツインチップではなく、少しセットバックの入ったディレクショナルツインを選ぶといいと思います。パウダーランも楽しみつつ総合滑走力を磨くことが上達の近道ですからね。

 

ボードの形状の選び方アドバイス

それぞれの形状と特性は理解できたでしょうか?
スノーボードの楽しみ方により、様々な特性のボードが用意されていますので、「自分がいつもどんなスノーボードをしているのか」、また「これからどんなスノーボードがしたいのか」を考えて、自分の楽しみ方に合ったボードを選べると良いですね。皆さんに最高のボードが見つかることを願っています。

それでは次回もお楽しみに。
画像の代替テキスト
赤いお店が目印。靖国通り沿い駿河台下交差点のすぐ近くです。
※記事が掲載された2006年時点の情報となります。

【取材協力】
Minami 神田REDS店

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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