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アテネ五輪の報道を通して 五輪卓球つれづれ(3)二人の王

アテネ五輪の報道を通して、「つれづれなるままに」記すエッセイ。3回目の最終回は、五輪2連覇を逃した王楠選手と、38歳の帝王ワルドナー選手の躍進について。

執筆者:壁谷 卓

驚きその1 王楠選手の敗退

アテネ五輪の結果をみて、驚いたことのひとつが、女王・王楠選手(中国)が女子シングルス準々決勝で敗れたことです。

王楠選手
2003トヨタカップでの王楠選手
彼女は1999年の世界選手権アイントホーヘン大会のシングルスを制して以来、2000年シドニー五輪、2001年世界選手権、2003年世界選手権と、「世界一」のタイトルを4大会連続で獲得してきました。最近は、アテネ五輪を制した張怡寧選手(中国)に押され気味だったので、金メダルは難しいかなと思ってはいたのですが、まさか何色のメダルもとれずに負けてしまうとは予想外でした(ダブルスは金をとりましたが)。

王楠選手の負けた相手というのが、前回のシドニー五輪で大苦戦したリ・ジャウェイ選手(シンガポール)。当時は21点制で(なつかしいですね)、1-2とリードされた4セット目、16-20からの逆転劇。ヒヤヒヤの勝利でしたから、王楠選手としてはやりにくい相手なのかもしれません。

気になった!? 梅村選手の存在

ただ、組み合わせを見直してみて、同じブロックにいた梅村礼選手の存在が気になったんじゃないだろうか、と思いました。梅村選手は3月の世界選手権ドーハ大会で、張怡寧選手、王楠選手という世界ランク1位、2位を相手に、セットオールジュースという大激戦を演じました(張選手に勝ち、王楠選手に負けた)。冷や汗をかいた中国は、梅村選手を「超警戒選手」に位置づけて対策を練ってきたといわれています。

世界ランク8位のリ・ジャウェイ選手と、同じく17位の梅村選手。王楠選手は、二人のうち勝ちあがってきた選手と戦えばいいわけなんですけど、マークする相手が二人いるというのは精神的にしんどいものですよね。組み合わせが決まって数日間、「いや~な感じ」とともに過ごし、それが微妙に影響したのかな、なんて想像しました。

さて、今後の王楠選手はどうするのか。もっと直截にいえば、現役を続けるのかどうかということですが、信頼筋(直截にいえば、「中国情報」の「美雪のパパ」さん)によれば、王楠選手の五輪直後のインタビューにこう出ていたそうです。

《当然、その中で引退の話しになりましたが、国家隊が決めることと考えているようです。以前も、国家隊が必要とするなら引退はしないという記事を見ました。王楠個人の考えは、「帰ってゆっくり休みたい!」だそうです》

ただ、美雪のパパさんによれば、《来年の中国の「第10回運動会」には出るんじゃないかと思います。これは4年に一度の中国最大の大会で、「省」の戦いです》。ホッ。個人的にとても好きな選手なので、少しでも長くやってほしいなと思っています。
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