さて、ダイエット編である。食欲が落ちやすい夏場は、ダイエットを始めるには格好の季節かもしれない。しかし、食事を制限して夏バテになってしまうのは避けたい。必要な栄養素もとりながら卓球の練習を取り入れて、いわば健康的にやせるにはと聞いたら、「そんなの超カンタンですよ」という即答があった。木村先生によれば、ダイエットが失敗してしまうのは、「とにかく急激にやせることを望んでいるから」ということになる。

「急激にやせると、秋になって食欲が出てくると、リバウンドにつながってしまうので、どんなにがんばっても1ヵ月に2キロが限界だと思ったほうがいいと思います。でも1ヵ月に2キロってことは1年たったら、すごいことが起きるわけですよ。1ヵ月に2キロというペースであればリバウンドも起こりにくいので、その部分を理解してもらうことしかないと思います」

まず、ある程度の長いスパンでダイエットを考えるのが大切らしい。こう書くと、それだけでゲンナリしてしまう人もいるかもしれない。しかし、ここからが木村先生の違うところ。木村先生は講習などでいつも「1ヵ月に1キロ減」のペースを例にとっているというが、「本当にそんなことできるの? っていう思いがあって、自分でとにかくやってみようと」。

木村先生は都内の研究所に勤務していたとき、2001年7月~2002年2月までオーストラリアに研究留学をした。現地の食べ物のおいしさに感動し、「せっかくここにいるんだから」と食べ続けた。日本に戻って体重は少し落ちたが、2002年4月、木村先生は現在の大学の講師に招かれ、高崎に移り住んだ。車を使うようになり、歩かなくなった。その結果、高崎に移って3ヵ月たった頃には、オーストラリアに行く前と比べて5キロほど増えていたという。

2002年夏、木村先生のダイエットは始まった。「高崎に来て食べる量が増えたわけじゃなかったので、動く量が減ったからだと思った」という木村先生は、大学の中をできるだけ歩くようにした。どんなに少なくても1日8000歩。多い日は1万5000歩に達した。食事面では、フライパンをテフロンに変えて、炒め物をするときに使っていた大さじ1杯の油をやめた。そして、生野菜を食べる量を増やし、ほぼ毎食実行した。肉を減らし、魚を多くした。アルコールは、翌日授業がない夜に、350ミリリットルのビールを1本飲む程度だったという。

「それで何が起こったと思いますか? 今年の2月か3月ぐらいまでの間に7キロ減ったんですよ、それだけで。なんの努力もしてないので、リバウンドがあるとは考えられないし」

まあ、何をどこまでするのが「努力」になるのかは、人それぞれの感じ方によるだろうが、「歩く」を「卓球」に置き換えれば、十分に達成可能なダイエット方法に思える。

体重50キロの女性のケースを例にとろう。1ヵ月に1キロ減らすには、1ヵ月間に7200キロカロリーを減らせばよい計算になる。それを30日で割ると、1日あたり240キロカロリーを減らす必要があるのだが、この際にポイントがある。

「240キロカロリーをすべて食事で減らそうとすると難しい。半分の120キロカロリーは卓球で減らせばいいんです。すると、だいたい1日35分程度の練習をすればよくて、練習ができない日は次の日に1時間やればいいんです」

卓球以外に120キロカロリーを消費できる運動とは、ウォーキング60分、ジョギング、スイミングなら15分、自転車35分、エアロビクス30分、ボーリング50分というあたりになるそうだ。食事面では、木村先生の実行した油大さじ1杯が90キロカロリー。120キロカロリーにあたるのは、ごはん茶碗半分、6枚切り食パン4分の3枚、卵1個半、アジ一尾となり、サーロインステーキに至ってはひとかけ(25グラム)。

「カンタンでしょ?」という木村先生。試してみてはいかがだろうか。


いかがでしたか? 今回は中高年向けの内容となりましたが、これ以外にも卓球(スポーツ)と食事について知りたいことがあれば、感想フォームに書き込むか、卓球ガイド宛のメールアドレスにお寄せください。可能な限り木村先生に話をお聞きして、新たな記事にしたいと思っております。ご質問をお待ちしております。

なお、夏を乗り切るさまざまな対策や料理などについての情報は、次のページにまとめました。ぜひご参考に。