男子の方針とは異なり、女子は5月の世界選手権に向けてメンバー変更もありうるという。その表れが3月の合宿で行うという「リーグ戦」である。この時期に、事実上の「選考会」を開く意図はどこにあるのか。選考基準に対する批判派への「配慮」なのだろうか。
3月17日から21日まで富山で合宿をやるんですが、そこで全日本選手権ベスト16、インターハイ、全日本学生の上位2名など、ランク順に上位から24人を集めて総当たりのリーグ戦をやります。それは「選考会」とは謳っていないんですけど、そこで1位になった者を世界選手権のシングルスに監督推薦として選出するというふうに決めたんです。
各カテゴリーから選手を集めて、23試合をして1位になった者は、体力はある、集中力もある、全日本チャンピオンに匹敵するぐらいの力量があると。それは国際競争力として認めていいだろう、外へ出て力を発揮するのにふさわしい人だと。
アジア選手権の前は、時期的にできなかったんですね。国際大会があったり、母体関係の都合もあったり。女子の選考基準には批判がありましたけど、別にそれに屈したわけでもなんでもなくて、数多い試合のなかで1位になった者を選ぶという構想はもともとありましたからね。
「女子はいま(03年2月3日発表時)世界ランキング100位までに、高田(佳枝)、羽佳(純子)を除いても、12人いるんですよ」。西村監督はそういって、昨年1年間の女子選手の分析資料を取り出した。そこには、プロツアーへの出場回数、世界ランキングの推移、格上の選手に勝った回数などのデータがまとめられていた。
2002年の世界ランキング(2月1日発表時点と11月29日発表時点)は、梅村が28位から17位、藤沼は82位から30位、樋浦が104位から77位、平野は189位から120位。逆に、小西、高橋、福原は下がってる。
格上の選手に勝った回数は、1位が藤沼で、なんと7回も勝ってるんです、1年間でですよ。2位が梅村、岸田(聡子)、樋浦の3回。平野、福原は1回勝っている。小西、高橋は1回も勝っていないんですね。
プロツアーの出場回数は、費用対効果の資料とします。プロツアーに出場するには1回25万円。それだけの費用をいただいて遠征をしているわけですから、格上の選手に勝つ、世界ランクを上げるということが、最大の目的になるんです。1年間やって達成しきれない場合には、新しい選手にチャンスを与える裏づけにもなる。
ただ、データだけではなんともいえないのが難しいところなんですね。ポテンシャルとか将来性とか、キラっと光るものがあるというのは、データには出てこないんです。そこを見極める目が我々にあるか、そこがひとつの勝負なんです。それには、母体の人たちと相談しなきゃ育てられない、という図式になってくるわけですね。