卓球/卓球関連情報

世界卓球選手権大阪大会ルポ 練習会場から見える風景(15)(3ページ目)

連載ルポルタージュの15回目。数回にわけて紹介する高島氏のロングインタビューの第3回。

執筆者:壁谷 卓

「発表された内容はすごくクリアで、選手の意欲をかきたてるものですね」

「そうなんです。海外試合に行くときには自己負担はなしだというようなこともそこで決めたんです。いままでは全部、世界選手権に行くのにも自己負担があったんですよ」

「それは、ちょっと……」

「それで、やる人たちのモチベーションを上げていくことも大切だということで、栄養費というような名目で、少しでも強化費のなかから組み入れたんです。そして選手も年2回入れ替えを考えるというようなことまできちんとつくったんです。それで日本卓球協会も、基本的にはこれでいいだろうという話だったんですね。

で、ソーレン・アレーンと一緒にいろんなところへ行って、こういうふうにやっていきますという方針を説明したわけです。この2001年が終わったときに結果がでなかったら、こういう責任の取り方をしますということも全部言いました。で、選手との信頼関係は非常にうまくいってたんです」

「当初は97年10月にメンバーを発表する予定だったと思うんですが、どうして大幅にずれ込んだのでしょうか」

「選手を選んでも合宿や遠征に参加できないということになっては意味がありませんし、ナショナルチームの練習と母体での練習が食い違っていては効果が上がりませんから、協力体制をつくってもらえるかどうかということを母体の監督、コーチと詰めたわけです。ところがね、選手選考で揉めるんです。たとえば、指導者のセミナーをしますね。ソーレン・アレーンが一生懸命セミナーをやるわけです。まあ、だいたいの部分はこれですよ」
と言って、高島氏は居眠りの真似をした。

「ところが、選手選考の話になったら、もう眼をぎんぎらぎんにさせて。その人たちは、もう母体の利益代表でしかないわけですよ。だから、ナショナルチームというものはどういうものであるかということを理解できておられないと思うんですね。

やっぱり日本全体で力を合わせて、連合艦隊でいくというのがナショナルチームなわけですけど、『母体の利益を無視したら、ナショナルチームなんかできませんよ』というような脅迫めいたことをばんばん言われるわけですよ。『やれるもんなら、やってみろ。母体なんか協力しない』と」
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