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藤原喜明 ロングインタビュー(3)(2ページ目)

藤原喜明インタビュー最終回。その話しは、ゴッチ・ノート、米国で行われた藤原セミナー、格闘技人気を起こしたUFC、ヒクソン・グレイシーに至るまでと多岐に渡った。

執筆者:川頭 広卓

「全部復習してコツコツやって完成したのは10年後くらい」

藤原喜明インタビューが掲載されたジェイク・シャンノン著『Encyclopedia of Scientific WRESTLING』には、ゴッチ・ノートの写真も掲載されている (C)kawazu
――今、藤原さんはアメリカなどでセミナーをされているじゃないですか?それはどのようなテーマでやっていらっしゃるのですか?

「全部教えるよ。これまでと一緒。アイツら凄いよ。真面目っちゅーか、俺が“オイ”っていうと“イエッサー”って答えるし、昔の日本人みたいに礼儀というか・・・。教育がいいのかな?ヨーロッパからも参加しに来てたからね」

――セミナーのお写真を拝見したのですが、大勢の方が参加されてますね。

「1回目、ロスでやった時は3日間で結構な参加費を取ってたみたいなんだけど40人以上参加してた。2回目にオハイオでやった時も、80~90人くらいいたよな。皆一生懸命だよ」

――次回セミナーのご予定はあるのですか?

「来年は7月頃、30~40人があっちから日本に来るんだよ」

――(主催者のチラシに)バート・ベイルなんて名前もありますね。

「でもな、1回目は違ったんだよ。ジェイク・シャンノンっていって、向こうでプロレスのサイトとか百科事典を作っている人がいて、そこに俺のインタビューが載ることになったの。その後にセミナーに呼ばれたんだよね。で、2回目、3回目はバート・ベイルがセミナーに来てくれて、去年は日本にも来てさ。アイツ、俺が好きでさ。2006年に、俺のところでも(セミナーを)やろうってなったのよ」

――インタビューには“ゴッチ・ノート”も載っているのですね。インタビュー内容はどんなものだったのですか?

「ま、普通だよな(笑)」

――ゴッチ・ノートの中には、コテ投げ的なことも書いてありますね。首投げとか。

「本当はもっとあったんだよ」

――さすがイラストが分かり易く、上手に書かれていますね。

「でも、他人が見ても分からないよ」

――ゴッチさんがこのノートを見て怒ったって本当ですか?

「いや、怒ってはないけど“こういうのやってんですよ”ってノート見せたら、顔色がみるみる変わってさ。次の日からはプッシュアップやスクワットばっかり(笑)」

――やはり気にしたのですかね。

「ゴッチさんは、技は知ってるけど教えてはくれないんだよ。だから、ゴッチさんが技を見せてくれて、“ゴッチさんは凄いな”っていうのは分かるんだけど、“今、どうやったの?”っていう部分は全く覚えてない。だから、分かったのは“ゴッチさんは凄い”ってことだけなんだな(笑)。

だから、これじゃダメだと思って、一日1つ、2つでも頭に入れてさ。後の技は知らんぷりして、毎晩遅くまで全部ノートに書いてさ。でもってスパーリングやりながら、“どうして極まるんだろ?”って考えて、考えて。全部復習してコツコツやって完成したのは10年後くらいか。誰も教えてくれないからな。教えるってことも分からないし」
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