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ハッスルにみたエンタメ+プロレスの完成形(2ページ目)

2007年、ハッスル下半期が動き出した。新体制での稼動や橋本さんの3回忌と多くのテーマが混在する中、彼らが見せたのは足掛け3年に渡って作り上げてきた“ファイティングオペラ”の完成形だった。

執筆者:川頭 広卓

今宵、プロレスとエンターテインメントの融合が成立

『ハッスル・ハウスvol.26』は、ハッスルが持つ全てのポテンシャルが噛み合い、ベストパフォーマンスを生み出した
また、エイドを振り返れば、最も強く印象に残ったのが映像の魅力にあり、過去のハッスルシリーズや川田利明のリサイタル名場面が会場で流れた時は、その面白さに大笑いをしてしまった。なので、エイドの総評を聞かれれば、やっぱりハッスルはライブよりも、テレビ向けのコンテンツってことになるのだろう、というのが本音だった。

しかし、ハッスル下半期のスタートに、そんな取り越し苦労は不要であった。ハッスルの新たなる一歩は、橋本さんの3回忌がファンを呼び入れたのか、平日の夜にも関わらず会場は超満員。更には、ファンの熱気や進行、演出、サプライズ、試合に至るまで全ての歯車が噛み合った最高のショーとなっていた。

オープニングからエイドの名場面でもある、インリン様の失神シーンがビジョンで流されるだけで、場内は拍手喝采。川田のリサイタルにはお笑い芸人ノブ&フッキーが乱入し、対戦カード発表では「第2ハッスル、今考え中」といった軽いネタにも大爆笑が沸き起こる。

第1ハッスルでは、恐・イタコに橋本さんが降臨し、大“橋本コール”が起こったかと思えば、第2ハッスルでは、メリハリを付けるかの様に、実力者TAJIRI、ACHICHIらが場外乱闘から試合をスタート。セミハッスルでは、夢のBI対決、アントキの猪木&崔領二vsジャイアント・バボ&アン・ジョー司令長官の一戦で、猪木のコールには元新日本プロレスの田中リングアナ、バボのコールには全日本プロレスの木原リングアナが登場。数年前では信じられない様な豪華な演出をみせた。

休憩明けにはインリン様がハッスル下半期に向け、メインストーリーの序章を作ると、メインハッスルでは、プロレスが持つ醍醐味とも言える、大型外国人選手のド迫力ファイト。これに、芸人HG、RGが挑む図式は観る側にも分かりやすく、試合後には、ハードゲイコスチュームに身を包んだ天龍源一郎が救出に駆けつけるサプライズ。最後は天国の橋本さんに捧げるトルネードハッスルでアットホームな雰囲気の中、大会は幕を閉じた。

日本マット界に拒絶反応が残る“プロレスとエンターテインメントの融合”を掲げてから、足かせ3年。もはや“ハッスルの賛否”といった議論もばかばかしい。HE山口日昇社長曰く第1回ハッスルでは「ホームランか三振しかないところを三振した」と語る程の厳しい旗揚げに、専門誌もその取り扱いに悩む未曾有の船出となったハッスルにとって、この日の完成度は、ようやくその融合を成し終えた瞬間の様に思えた。

日本発祥のエンターテインメントプロレス“ファイティングオペラ”はいよいよ次のステージへと進む。

ハッスル山口日昇新社長に聞く(上)
ハッスル山口日昇新社長に聞く(下)



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