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ハッスル山口日昇新社長に聞く(上)(3ページ目)

ハッスルはその母体をDSEから新会社ハッスルエンターテインメントへと移管した。新生ハッスルの舵取りを担う山口日昇社長に聞いた60分。その話は多岐に渡った。

執筆者:川頭 広卓

「プロレスをフィルターにすると物事の根っこが見えてくる」

インタビュー後編では山口社長の『ハッスル・エイド2007』総括を掲載!
ガイド:プロレスっていう言葉が良くも悪くも、色々な使われ方をするじゃないですか?例えば、試合でもないのに「これもプロレスだよ」と言ってしまったり、中には言い訳の様に使われることもあります。でも、山口社長はそれよりも以前に“プロレスをする”という意味を広義に捉えていたような気がします。

山口社長:基本的には村松さんが『私、プロレスの味方です』でも言っていたように、「ものの見方」なんですよ。「ものの見方」が面白いか面白くないか、なんです。すべての物事の根っこを探っていくっていうことは凄く面白いことだと思うんですけど、なぜかプロレスをフィルターにすると、物事の根っこが見えてくるんですよ。懐疑的な見方はあったにせよ、ひと昔前はプロレスも世の中からスポーツや格闘技と見られてましたよね。でもスポーツや格闘技としてだけではなく、違う角度から考えたり語ったりできるジャンルでもあった。出生不明なジャンル(笑)。そういう意味では特殊なジャンルだなと思いますし、今のファンの方にその面白がり方が分かるかというと難しい部分があるかもしれませんね。

ガイド:確かに、難しいですよね。

山口社長:例えば、プロレスというものを漢字一文字だとすると、音読みでは“真剣勝負”、訓読みでは“八百長”って読める。違う漢字を掛け合わせると“格闘技”って読めたり、送り仮名を付けると“エンターテインメント”と読めたりする。いろんな読み方ができる文化としてプロレスというものは存在してきた部分もある。だから、僕なんかは、いわゆる漢字文化、漫画文化の延長線上にあるプロレスと、格闘技やスポーツの延長線上にあるプロレス、二律背反するかのような複雑なテーマが混在するプロレスを概念として捉えることが面白くてしょうがなかったですね。

ガイド:その後、『紙のプロレス』がバージョンアップをします。その転機となったのは?

山口社長:『紙プロ』を制作するダブルクロスっていう会社を新たに93年に立ち上げて、ワニマガジン社さんの力を借りて、流通を大手取次にして『紙プロ』を全国展開にしたんですよ。それから2年くらいたって、95、96年の頃にCS放送の波が来たんですよね。で、そういう時代の中でプロレス・格闘技専門チャンネルの『FIGHTING TV サムライ』を運営する会社――現状の『サムライ』さんとは違う会社ですけど――の立ち上げが、当時は一流商社も巻き込んだりしながら話が大きくなっていって、『紙プロ』にも協力要請というか、一緒にやらないかみたいな話がきたんですよ。で、「これからはCSの時代だ」ということになって、ダブルクロスの社員も十数人いたんですけど、そっちに移ってしまったんですよ。その大移籍劇の首謀者が谷川(貞治)さんと、僕と一緒にダブルクロスを立ち上げたときに共同代表だった柳沢(忠之)さん。結局ダブルクロスに残るのは僕ひとりと新人の女の子2人だけになってしまった(苦笑)。

ガイド:現在、お二人共にFEGの幹部ですね。

山口社長:柳沢さんも「これからはプロレスや格闘技も活字ではなく、映像の時代。資金的にも大きな話になる」って言っていたので、皆、とてつもなく大きなものになるってイメージしちゃったんでしょうね。

ガイド:山口社長は、その話には乗らなかったのですか?

山口社長:いや、もちろん興味は沸きましたけど、僕は『紙プロ』をまだ“やりきった感”がなかったんですよ。で、僕が一人代表になって、活字主体のA5版では売上の伸び率も小さいし、販売ルートをお願いしていたワニマガジン社さんに恩返しをするにはもっと雑誌を売らなければと思い、版型も大きくしてカラーページ主体にして、プロレス・格闘技専門誌の色も以前より前面に出して、“世の中とプロレスをする”っていう概念的な部分は少なめにしたんです。で、新装刊したのが『紙のプロレスRadical』です。その新装刊に併せて『PRIDE』が出てきた。だからプロレスと雑誌名には銘打っていても、新日本やノアさんからは取材拒否受けてましたから(笑)、純プロレスはほとんど載っていなくて、UWFの系統である『PRIDE』やリングス中心の誌面にしました。特に『PRIDE』は、これからの時代をつくっていく予感がありましたから。それが転機ですね。

ガイド:その後、しばらくしてハッスルのイベントに関わるようにもなっていきますが、当初はどのような役割だったのでしょうか?

山口社長:ソフトの全体統括的役割ですね。実は、ハッスル1が始まる半年前くらいから、ハッスルのプロジェクトは始まっていたんです・・・。

ハッスル山口日昇新社長に聞く(下)〔インタビュー後編はコチラ

“アフター・エイド”ハッスル新章を見逃すな!

ハッスルは止まらない。7月11日には後楽園ホールで『ハッスル・ハウス vol.26
ハッスル・キングフォーエバー2007』が、7月14日には浜松へと舞台を移し『ハッスル24』が開催される。大会概要は下記の通り。

◇ハッスル・ハウス vol.26
日時:7月11日(水)開場18:00/開演19:00
会場:後楽園ホール
主催:ハッスルエンターテインメント
入場料:ハッスルVIP 10,000円/スタンドS 7,000円/スタンドA 5,000円/スタンドB 3,000円

◇ハッスル24
日時:7月14日(土)開場17:00/開演18:00
会場:アクトシティ浜松 展示イベントホール
主催:ハッスルエンターテインメント
入場料:ハッスルVIP【特典:ハッスルグッズ付】 12,000円/RRS 8,000円/S 6,000円/A 4,000円

※1歳以上のお子様も入場券が必要
※全席指定・消費税込み
ハッスル公式サイト
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