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さくらコラム第7回:レスラーと凶器(下)(2ページ目)

今回は“プロレスラーと凶器”の後編。広田さくらが選手のオリジナル凶器の紹介。ヒールレスラーは必須アイテムとなる凶器に独自性を求め、日々アレンジを繰り返す。そんな選手の裏側に迫ってみました。

執筆者:川頭 広卓

遂に明かされる毒霧の謎、お通じにも影響!?

他にも、一風変わった凶器として、視覚に働きかける「毒霧」があります。これは目に入ると、とても染みます。コンタクトレンズの場合、コンタクトも毒霧色に染まってしまいます。また、使う人も歯が毒霧色に染まることや、マイクアピールの時、口に毒霧が残って喋りにくいことなどに注意が必要です。そして毒霧を使った人と浴びた人は、次の日のお通じまで毒霧色になります。

このように、凶器は多種多様なものがあり、相手にダメージを与えつつ、観客に対してのパフォーマンスの役割も担っています。そして、ヒールレスラーと凶器の関係は、その凶器にどれだけ愛着を持つかで決まります。ただ頻繁に使うのではなく、「ここぞ!」というときに使用して凶器の価値を上げ、今まで見たこのない使い方を編み出すことで、その凶器を自分の物にしていくことが出来るのです。

ちなみに、私が一番度肝を抜かれた凶器は、サソリ選手の使用する「ハンガー」でした。サソリ選手は、どの家庭にもあるハンガーをヌンチャクのように振り回して凶器にしていたのです。確かにあのクリッてなってるところで引っかかれたら痛そうです。残念ながら、私はあのハンガーで攻撃される機会はあまりなかったのですが、一度ハンガーを奪い、自分のリングガウンを掛けてロープに吊るしてみたことがありました。すると、サソリ選手は激怒しました。どうやらあのハンガーも、本来のハンガーの役割としては使っていないようです。

ヒールレスラーの手に掛かれば、日常で使うあんな物やこんな物もたちまち凶器に変わってしまいます。この際、耳かきで聴覚を、練りわさびで味覚を攻める攻撃があってもいいかもしれません。

皆さんも「私だったら、これを凶器としてこう使う」という目線で家庭用品を見てみるのも面白いかもしれませんね。プロレスのイマジネーションって、意外とこういう着眼点から膨らんだりするのです。

それではまた次回。



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