WWE、遂に日本仕様のオフィシャルHPを開設

SMJ日置氏は長年に渡って幾度も渡米し、WWEとの対話を続けた
日本とWWEの距離が急速に縮まろうとしている。

2006年9月21日、世界最大のプロレス団体WWEの日本語オフィシャルサイトがオープンした。WWEのニュースは勿論、圧倒的なボリュームを誇る試合動画の視聴やフォトギャラリーも充実。日本のWWEファンを大いに喜ばせるコンテンツがズラリと並んだ。

不思議なことに、これまでWWEが日本仕様のオフィシャルサイトを展開することはなく、またWWEの国内放送も3週間のタイムラグがある。よって、日本のファンがリアルタイムに情報を引き出すには、本場アメリカのオフィシャルサイトを閲覧しに行くしかないという歯がゆさが存在する。それは、ネット全盛の昨今、WWEが日本を重要なマーケットとして捉えている事実を考えてみれば、首を捻らざるを得ない現状でもあった。

WWEですら試行錯誤を続けたというメディア戦略。日本WWEファンにとっても画期的な出来事となった日本語オフィシャルサイト開設という舞台裏では、一体どんなせめぎ合いがあったのか?本サイトの開設で、劇的に変わるであろう日本‐WWEの関係や、日本のWWEファンにもたらすメリットについて、サイト運営を手がけるスポーツマーケティングジャパン株式会社のマーケティングディレクター・日置貴之氏に話を聞いた。

“点を線に”WWEと接点を増やすために、やるべきこと

ガイド:まず、スポーツマーケティングジャパン株式会社はどのような会社なのでしょうか?

日置氏:スポーツのマーケティングサポートやコンサルティングを主に展開しています。例えるなら、海外スポーツを日本に浸透しやすいよう、僕らの手によってローカライズ(現地化)をしていくといったイメージですね。

ガイド:具体的な実績としては?

日置氏:最近では、NFLやNBAの日本語公式モバイルサイトの展開を請け負っています。現地のサイトをただ翻訳するのではなく、必要に応じて日本のスポーツファンのニーズを盛り込んだコンテンツ作りを目指しているんですよ。

ガイド:21日にWWEのオフィシャルサイトが立ち上がりました。どのような経緯の元、御社が運営を担当することになったのでしょうか?

日置氏:2003年の話になりますが、WWEは日本だけでも本当に多くのビジネスパートナーがいました。物販の会社しかり、テレビ、CS、携帯、イベント……と各社がそれぞれ単体で仕事をしていたのですが、そんな現状を見ていて、それらを統合するプラットホームが必要だと感じたんです。

ガイド:情報をまとめる役割ですね?

日置氏:そうです。チケット買っている人が、どれだけグッズを買っているのか?テレビを観ている人が、どれだけ会場に足を運んでくれているのか?WWEは日本におけるマーケティングが全く出来ていなかったということもあり、そのプラットホーム作りの基礎として、データベースマーケティングや日本のファンのニーズを集約し、今までのビジネスパートナーとの連携も強固にすることができればと考えたんです。

ガイド:マーケティング自体、日本の団体で活用できているところはありません。

日置氏:WWEって、年に2回来日しているじゃないですか。非常に大事なことなのですが、年2回の“点”が“線”になるようしなければなりません。そこでまず考えるのが、ファンが日常どれくらいWWEと接点があるのかという部分なんですよ。

ガイド:接点ですか?

日置氏:例えば、僕がヤンキースのファンだったとして、一日に何時間ヤンキースと接しているのか。それは部屋にポスター貼ったり、テレビで試合を見たり、デスクトップに画像を使っているという状態なんかも含めて。逆をいえば、企業がブランドを構築する作業として、ファンがどれだけの時間を自分達と一緒に過ごしてくれているのか?といったところですね。

ガイド:WWEに関していえば、以前は深夜ながらも地上波で放送され、それなりの人気を集めましたが、それでも週に1回。現在は、CSでも放送されていますが当然全員が観れる訳ではありません。

日置氏:それを現状の中でやるとすれば、ニューメディアとなるネットやモバイルの役割となる訳ですよね。テレビであれば、週に1回なりと決まった時間での視聴になりますが、それを毎日の状態にする必要があるということでしょうか?

ガイド:WWE日本語版オフィシャルサイトを開設する重要な意義を理解できました。

日置氏:サイトを立ち上げる要素として、毎日大量の情報を投下する。ただ、その作業をしなければならないなとわかっていながら、WWEとは2003年からひたすら協議を重ねていたんですが……。

ガイド:何か弊害でもあったのですか?