アメリカの格闘技ブームはやはりホンモノ? 低迷団体IFLまでが株式上場???
フェルナンド:ミスター・サカキバラが心配するような団体じゃないってことは、もうこの一年の迷走で証明されたようなもんだと思うけどね。誰も話題にしてないし(笑)司会:だんだん、チームファイトのコンセプトもどうでも良くなって来て、むしろ一線を退いたロートル選手の「マスターズ」みたいになって来たのは事実だね。年末のコネチカット大会では、ヘンゾ・グレイシー vs. カーロス・ニュートンが決まってるし。
フェルナンド:前にPRIDE武士道でやったカードの再戦だろ? 当時はニュートンが勝って、グレイシー越えみたいなニュアンスで盛り上がったけど。
デイブ:今や二人とも時代において行かれちゃってるもんなあ(笑)懐かしのあの一戦をリプレイって感じで。よっぽどの物好きでなきゃ注目しないと思うよ。九月にも「シルバーバックス」のパット・ミレティッチと「ピットブルズ」のヘンゾ・グレイシーがコーチ対決してたね。ヘンゾがギロチンチョークで勝ってるんだけど、あまり話題になってない。所詮引退した選手のエキシビジョン的にしか見られてないんだな(笑)。
司会:一応リーグ戦決勝なんですけどね、その年末の大会(笑)。PRIDE男祭り、Dynamite!!、UFCのチャック・リデルvsティト・オーティスと、日米で格闘技年越しイベントラッシュなんだけど、IFLのファイナルが一番しょぼい(笑)。
デイブ:まあ、お客の入りも悪いんで、客寄せパンダが必要になって、結局コーチ対決を軸にするしかない。今回のニュートン起用も、彼が「ドラゴンズ」ってチームのコーチに就任したからってことなんだよね。どうみても「ドサ周り」になってきてるんだけど(笑)。
フェルナンド:今IFLは何チームあるんだっけ?
司会:稼働してるのが7チームだったかな。パット・ミレティッチの「シルバーバックス」(10勝5敗)、モーリス・スミスの「タイガーシャークス」(7勝8敗)、バス・ルッテンの「アナコンダス」(6勝4敗)、ヘンゾ・グレイシーの「ピットブルズ」(4勝6敗)、カーロス・ニュートンの「ドラゴンズ」(3勝2敗)、マット・リンドランドの「ウルフパック」(3勝2敗)フランク・シャムロックの「レイザークロウズ」(2勝3敗)。パットのチームが一次リーグ優勝してて、12/29に今期後半の決勝を戦うのが、前期優勝のパット率いる「シルバーバックス」とリンドランド率いる「ウルフパック」。
フェルナンド:アントニオ猪木の「東京サーベルズ」はどうなったんだ?(笑)
デイブ:まだ参加してこないねえ(笑)
司会:いやしてますよ。9月9日の大会で惨敗しているから、当分でてこないんでしょ。今後どうなるか不明だけど、来期はマルコ・ファスの「コンドルズ」、ケン・シャムロックの「ライオンズ」、ドン・フライの「スコーピオンズ」なんかも加わって、月一回から二回ペースの興行を打つって言ってるんだな。ホントならすごいペースだよ(笑)
デイブ:いつまで続くやら(笑)
司会:元々スズキやマイクロソフトのXboxをスポンサーにつけたり、UFCの過去試合を放映していたFSN(Fox Sports Net)とテレビ放映契約してたりで、資金力には定評があった団体だし、今のところ興行もコンスタントに打ってるわけで、その辺は評価してもいいと思うんだ。オーナー格にあたるコミッショナーのカート・オットー氏は元々ヘンゾ・グレイシーの道場に通って柔術を学んでいた自称元テコンドーのチャンピオンだからね。(笑)父親のやってた不動産投資会社を引き継いだ資産家でね。いわば、ZUFFAオーナーのロレンツォ・ファルティッタ氏同様、柔術を習ったのが縁でこの業界に入って来た実業家なんだな。だから、ヘンゾの言いなりになっちゃってるんだけど(笑)。
フェルナンド:それが盛り上がらない原因だよ! ヘンゾの金儲けのための団体なんだよ、IFLなんか。自分のところに通っていた生徒のひとりが、遺産がはいって金回りがよくなったから金使わせている、ってとこだろ? 大体コーチが全部金を仕切る、なんて早い話が奴隷労働と変わらない(笑)。選手各自にエージェントがついているのが当たり前となっているのに、なんで今更親分が子分のギャラをピンハネする構造を認めちゃうんだか。他のスポーツと比べて 100年遅れてるよ。下手したら人権問題だぜ。選手だって、そんな構造で頑張るわけないよ!
司会:だよねえ。実際、イヴァン・メンジバーがパットのチームに加わったり、ちょっとずつ現場レベルはマシになってきてるんで、その労務体制を改訂していけば、もしかしたらもう少し人気が出るかもって気配はあるんだよなあ…。
デイブ:けどIFLは来月あたり上場するらしいよ。
司会:まさか。(笑)あり得ないでしょ。
デイブ:いや、あり得ると思うんだよね。スポーツ・エンティティーとしてトレードされるらしいよ。
司会:ボストン・セルティクスみたいにという事だよね。そう言われるとあり得るかもね。
*注11月29日付きでIFLは上場を発表した
デイブ:まあドン・キングが陰のオーナーだってことで、鳴り物入りで再開したはずの>WFA(World Fighting Alliance)も結局7月22日に大会を開いたきりで、12月に予定されてた大会は延期でしょ。ここもIFLと人材がかぶるわけで。テレビ解説のクイントン“ランペイジ”とか、コーチ組のマット・リンドランド、あげくは六年現役引退してたバス・ルッテンとか。名前はあるけど、ロートルばっかりなんだよね。LYOTOがレギュラー参戦してくれるんなら、面白そうだとは思ったんだけど…
フェルナンド:まあ、結局UFC以外は全部でっちあげだってことだよ(笑)
司会:ネットカジノ最大手bodog.comに買収されたMFCって隠し球がありますがね。それは後でまた話そう。
フェルナンド:そうだよ。今日はPRIDEのアメリカ上陸の話をしたいんだ俺は(笑)。もっと話させてくれ!!
【PART3】に続く