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【Looking back 】4.25PRIDE-GP開幕戦(2) 「K-1ストライカー達の敗因」(2ページ目)

小川に敗れたステファン・レコと、優勝大本命に上げられながら1回戦負けを喫したミルコ・クロコップの二人に焦点をあてて、K-1出身のストライカーが揃ってPRIDEで敗れた原因を、技術論の観点から探る

執筆者:井田 英登

2、決定打はグラップラーのスタンドでのパンチ
一方、グラップラーたちに怖気は微塵も感じられなかった。

特にランデルマンのミルコ対策は完璧だったといえる。先手先手でタックルを仕掛け、スタンドの間合いでは常に右の拳を顔横に上げて、ミルコの“一刀両断”の左ハイ対策を固めていた。そして常に平行して動いて、パンチの距離をキープする。

「全ては、師匠のコールマンが立ててくれた作戦通り。左フックはコールマンと立てたプランどおりだ。ミルコが左ハイを放つタイミングを見抜き、怖がらずにパンチを打ちに行ったから当たった」
確かにドンピシャのカウンターが、アゴを打ち抜いている。

ミルコの場合自分からプレッシャーを掛けて接近している最中。レコも試合開始数十秒というところでロープに詰められて、これ以上下がれないポジションの至近距離で、得意の右のストレートを放とうとした刹那に左のクロスカウンターを浴びている。ミルコの左ハイ同様、レコの右はアーツをもノックアウトした伝家の宝刀である。心理的に追い詰められ、反射的に放つその必殺技の出し際こそ、最大のピンチだったということになる

総合初体験のレコにしろ、グラップラーばかりを相手にしてきたミルコにしろ、そんな高度な技術を相手が持っているとは思っていなかったのだろう。レコはがら空きのこめかみに、そしてミルコに至っては見事にアゴを打ち抜かれてダウンしている。いずれも当たればダウン必至のピンポイントであり、グローブが総合用の薄いオープンフィンガーグローブであったというのも、効いた原因であろう。

二人が腰から崩れるようにダウンした姿は、まさにビデオを再生したかのようにそっくりであった。
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